日本政治とCIA・MRA・IC

 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「いまなお日本政治を支配しているのは米国」と指摘したうえで、「その米国が日本政治のさまざまな工作に関与している」と論じた6月24日付の記事を紹介する。

 参議院議員通常選挙の投開票日が7月20日とされることが閣議決定された。3連休の中日。投票率が低くなることが組織票のウェイトの大きい政党に有利になる。低い投票率を期待して3連休中日に投票日を設定したのだろう。姑息。しかし、自民は引き続き議席を減らすことになるだろう。選挙目当てに給付金を配るのは〈選挙買収〉。筋が悪い。

 備蓄米を安値放出したが間もなく在庫切れ。9月から出荷が始まる新米を5キロ2,000円にはできない。コメ価格高騰は農政失敗の結果で、備蓄米を安値放出したから国民の評価が上がると考えるのは浅はか。それでも主権者が問題の本質を見極められなければ小泉進次郎ヒーロー劇場にころりと騙される。かつて郵政民営化を強行するためのPR戦術が策定された。知識も見識も洞察力もない〈B層〉をターゲットに郵政民営化を称える広報活動が展開された。小泉進次郎劇場もB層向けの広報戦略。

 コメの自給体制を堅持することが必要。農家の個別所得補償が必要だ。しかし、コメ生産者の生活をしっかりと支える施策は示されていない。他方、企業献金禁止が吹き飛ばされた。誰が吹き飛ばしたのか。自公と国民民主。とりわけ罪深いのは国民民主。野党が結束すれば企業団体献金を全面禁止する法案を衆院で可決できた。これを潰したのが国民民主。通常国会最大の争点は減税だった。昨年10月の総選挙では消費税率を5%に引き下げることを公約に掲げる野党が多数存在した。ところが、これも消滅。主導したのは国民民主。

 自公と国民が決めた〈しょぼい減税〉はわずか0.7兆円。昨年度の定額減税が廃止されて2.3兆円の増税になるから、両者合計で1.6兆円増税。消費税率5%なら15兆円減税だが最終着地は1.6兆円増税。自民が議席を減らすのは避けがたい。

 投票率が上昇すれば公明も議席を減らすだろう。国民民主は都議選で議席を獲得したが、日本の主権者は国民民主が何をしたのかを見つめるべきだ。企業献金禁止を潰したのも国民民主。大型減税を所得税増税に変質させたのも国民民主。そしてスキャンダルまみれ。メディアが大宣伝したから一時的に人気が創作されたが、主権者が実態を知れば国民民主人気がしぼむと考えるのが順当。石丸現象もメディアが人為的に創作した。主権者が内実を知れば人気は消滅する。メディアの罪は深い。

 企業献金全面禁止、消費税率5%を確実にやり抜く政治勢力。憲法破壊を阻止する政治勢力。これを参院選で大きく伸長させることが必要。該当するのは、れいわ、共産、社民、そして立民の一部。これらが大同団結するべき。これらがバラバラに対応したのでは大きな勢力になることが難しい。とはいえ、参院選に間に合わない。日本政治の闇落ちを防ぐには、いやでも選挙に行って、れいわ、共産、社民の3勢力に投票するしかない。

※続きは6月24日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「日本政治とCIA・MRA・IC」で。


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