JR九州、26年3月期中間決算は増収増益 不動産事業が大きく牽引

 5日、九州旅客鉄道(株)(福岡市博多区、古宮洋二代表)は2026年3月期中間連結決算を発表した。それによると、売上高は2,376億1,600万円(前年同期比14.0%増)、営業利益は408億8,700万円(同38.4%増)、経常利益は410億2,600万円(同38.7%増)、四半期純利益は223億3,300万円(同1.4%減)で、5期連続の増収と経常段階までの増益となった。

 決算要因としては、鉄道旅客運輸収入および不動産販売収入の増加が挙げられる。運輸サービス部門は営業収益922億2,200万円(同12.2%増)、営業利益185億3,300万円(同50.8%増)と好調を維持し、なかでも収益の柱となる鉄道旅客運輸収入は836億1,700万円(同14.1%増)と5期連続の増収を達成した。

 不動産・ホテル事業も好調で営業収益が前期比25.3%増の766億6,200万円、営業利益は同35.9%増の178億7,600万円、なかでも不動産販売業の営業利益は前期比4.1倍の45億8,200万円と大幅に伸長した。一方、ホテル業はわずかに減益で推移し、グループ全事業のなかで唯一の減益となった。その他、建設部門および流通・外食部門も堅調に推移した。

 一方、グループ全体の最終利益では、「博多駅空中都市プロジェクト」の計画中止にともなう特別損失(約87億円)や、25年8月の九州北部豪雨による災害損失の計上が純利益を押し下げ、四半期純利益は前年同期比1.4%減となった。

通期業績予想のうち純利益以外を上方修正

 同社は通期(26年3月期)の業績予想について上方修正して発表した。発表によると、売上高は前回予想4,833億円から4,891億円へ(前期比7.6%増)、営業利益は676億円から731億円へ(同23.9%増)、経常利益は659億円から723億円へ(同21.4%増)と上方修正。一方、当期純利益のみ前述の特別損失の影響で511億円から460億円へ(同5.4%増)と下方修正された。

 売上高は過去最高だった前期を更新、営業利益と経常利益も過去最高だった18年3月期の639億6,300万円と、670億4,500万円をそれぞれ大きく更新して過去最高となる見込みだ。

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【寺村朋輝】

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