五千年の文明が舞台によみがえる 世界最高峰の中国古典舞踊「神韻」2026年公演

中国古典舞踊「神韻」2026年公演

 世界最高峰の中国古典舞踊と音楽を擁する神韻芸術団が、2026年も新作プログラムを携えて世界各地での公演を予定している。06年に米・ニューヨークで設立された同芸術団は、「失われつつある中国伝統文化を甦らせ、世界と共有する」ことを使命に掲げ、毎年演目を一新しながら国際的な評価を高めてきた。

 神韻が表現するのは、五千年にわたり受け継がれてきた中国の神伝文化である。王朝の興亡、神話や伝説、英雄たちの物語、人々の喜びや悲しみといった壮大な歴史絵巻を、中国古典舞踊という高度に体系化された芸術形式で描き出す。中国古典舞踊は、歴代王朝のなかで洗練を重ね、世界でも屈指の表現力を持つ舞踊体系へと発展してきたが、神韻はその正統を守り抜く稀有な芸術団体であるとされる。

 舞台を支えるのは、東西の音楽文化を融合させた神韻交響楽団である。西洋の交響楽を基盤としながら、二胡や琵琶といった中国伝統楽器の旋律を巧みに織り込み、舞踊と一体となった壮麗な音楽世界を構築する。この独自の編成は、神韻が切り拓いてきた新たな古典芸術のかたちの1つである。

中国古典舞踊「神韻」2026年公演

 また、神韻の舞台では、伝統的なベルカント唱法を用いた声楽も重要な役割をはたす。中国古来の劇曲と欧州初期オペラに共通する歌唱法を復活させ、中国語の歌詞を正確な発音で歌い上げる高度な技術は、同芸術団ならではの特色である。歌詞は舞台背景に翻訳表示され、観客は音楽と物語を同時に味わうことができる。

 視覚面でも、神韻は強い印象を残す。歴代王朝や天上の神々の姿から着想を得た衣裳は、伝統的な審美眼に基づいて制作され、鮮やかな色彩が舞台を埋め尽くす。デジタル技術を駆使した背景スクリーンと舞踊の融合も特徴で、舞台空間全体が1つの歴史絵巻として立ち上がる。

 神韻のアーティストたちは、それぞれが高度な技術と表現力を備えた舞踊家・音楽家で構成されている。長年にわたる厳しい鍛錬と研鑽を積み重ねてきた舞台は、これまで「画期的」「繊細で優美」「卓越した舞台芸術」と高い評価を受けてきた。リンカーン・センターやケネディ・センター、ウィーンのブルク劇場、東京オペラシティなど、世界有数の劇場での公演実績が、その評価を裏付けている。

中国古典舞踊「神韻」2026年公演

 26年公演でも、神話や伝説、王朝の物語、草原を駆ける民族舞踊、天上界を描く幻想的な場面など、20前後の多彩な演目で構成される予定である。毎年内容を刷新する神韻の舞台は、単なる再演ではなく、その年ごとの新たな文化体験を提示する点に特徴がある。

 五千年の文明が、現代の舞台芸術としてよみがえる神韻。26年の公演もまた、観る者を日常から切り離し、壮大な歴史と精神文化の世界へと誘う機会となりそうである。

「美しき才能が放つ、純粋で善なる表現がここにある」
 ──フィラデルフィア・ウィークリー
「極上のエンターテインメント。卓越した舞台」
 ──ステージ・ウィスパーズ誌
「美しい… 伝統芸術を極めた妙技だ」
 ──シカゴ・トリビューン紙

<INFORMATION>
福岡公演

〔開催日時〕
【1日目】 2026年5月5日(火・祝)
<1回目> 開演:午後2時(開場:午後1時15分) 終演:午後4時15分予定
<2回目> 開演:午後7時(開場:午後6時15分) 終演:午後9時15分予定
【2日目】 2026年5月6日(水・振休)
開演:午後2時(開場:午後1時15分) 終演:午後4時15分予定
【3日目】 2026年5月7日(木)
開演:午後2時(開場:午後1時15分) 終演:午後4時15分予定
【4日目】 2026年5月8日(金)
開演:午後2時(開場:午後1時15分) 終演:午後4時15分予定

〔開催場所〕
福岡市民ホール 大ホール

〔チケット情報〕
料金(税込)
全席指定
SS席 2万3,000円
S席 1万8,000円
A席 1万4,000円
B席 1万2,000円
C席 1万円
D席 8,000円

〔チケット情報:購入場所〕    
神韻日本公演2026ホームページ
チケットセンター TEL:0120-88-0120
チケットぴあ
イープラス

〔チケット情報:注意事項〕    
6歳未満の子どもの入場を不可としている。

〔主催〕    
(一社)古典芸術振興会

神韻・日本公演2026

【松本悠子】

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