「明日のプレジデントに最高の休息を──。」 受け継がれる思いと、進化し続ける組織づくり|プレジデントハカタ
<COMPANY INFORMATION>
(株)プレジデントハカタ
代 表:友杉隆志
所在地:福岡市博多区博多駅前1-14-7
設 立:1968年7月
資本金:2,400万円
TEL:092-411-6659
URL:https://president-hotel.jp
博多駅前のプレジデントホテル博多は、2026年で開業32周年を迎える。(株)プレジデントハカタは、コロナ禍という苦境を乗り越え、ホテル数を2棟293室から5棟488室へ増やし、24年1月期は過去最高の売上高と経常利益を記録した。指揮を執るのは3代目社長の友杉隆志氏。創業者の「社員を可愛がっちゃれよ」という言葉を胸に、“人を大切にする経営”を貫く。利益よりもまず社員の幸福を優先する姿勢が、同社の組織力とサービス品質の源泉となっている。
【目次】
- 逆境を機に挑む先見経営
コロナ禍を成長機会と捉え、大胆な投資と事業拡大を実行した経営判断が、業績回復と組織の前向きな変化を生み出した。 - 人を育てる学びの文化
ESを重視し、MBA支援や語学制度、社内教育を通じて学び続ける文化を構築し、人材定着と成長を両立している。 - 任せて育つ現場力
権限委譲と若手登用により現場主導の判断力を育成し、多能工化など社員発の仕組みが組織力を高めている。 - 原点を貫く理念の力
創業時の理念を軸にブランドを展開し、人を大切にする経営姿勢がサービス品質と企業成長を支えている。 - 求人情報
逆境を機に挑む先見経営
コロナ禍以前の2019年度まで平均稼働率98%台を誇っていた同ホテルは、一転して稼働率は10%台に急落し業績悪化に陥った。しかし友杉氏は「経営者が落ち込んでいては、社員はもっと落ち込む」と気持ちを奮い立たせ、敢えてプレジデントホテル博多を20年5月に1カ月の休館を決断する。
その間にレストラン「和創作呑処 緩音」を高級感ある内装に改装し、プレジデントホテル博多全室リニューアルに3億円を投資。「コロナウイルスは必ず落ち着く。その時に一歩先を行く準備を」と環境を見極め、変革のシナリオを設計した。結果、客室商品価値向上による客室単価アップを実現し、取引銀行からも「先見経営の成功例」と評価された。
さらに苦境のなかで事業拡大にも挑む。21年にプレジデントホテルアネックス(14室)を開業、22年には2施設の運営を受託。23年には「ホテルサードプレイス博多」として再出発し、26年12月には新館「ホテルラフォレスタアネックス」開業を予定。コロナ前の293室が602室へ倍増する見通しだ。
「新しい挑戦をしていると、社員にも前向きな空気が伝わる。リーダーが楽しそうに動けば、組織も自然と明るくなる」と友杉氏。危機を恐れず未来を描く姿勢こそ、成長の原動力である。
人を育てる学びの文化
経営の根幹にあるのは、「ES(従業員満足)ができない会社に、CS(顧客満足)はできない」という信念だ。その理念のもと、同社は独自の人材育成制度を築いてきた。
象徴的なのが、グロービス経営大学院の受講料全額負担制度である。自費で学び始めた社員の姿勢に心を打たれ、「会社が負担する」と即断。現在は役職者が希望すれば利用でき、MBAを取得した社員が幹部として活躍している。
コロナ禍の休館中には、経営やマーケティング、料理、英会話などの社内講座を開講。グロービス経営大学院の受講者が講師を務め、学びを共有する“教える成長”の文化が根づいた。「無駄な日はなかった」と友杉氏は振り返る。
また、外国人社員には日本語能力試験、日本人社員には英語・中国語・韓国語の検定取得者に資格手当を設定。襟元には国旗バッジを付け、対応言語を一目でわかるようにしている。
さらに、2カ月に一度、契約農家の魚沼産コシヒカリを社員宅へ配送し、社内報「プレジデントニュース」で近況や社員旅行の様子などを共有。「家族が安心し、誇りを持てる会社であることが、定着率向上につながる」と友杉氏は語る。
任せて育つ現場力
友杉氏が重視するもう1つの柱が、経営理念「“進化・成長” 企業の進化は、個々人の成長に比例する」、経営方針「企業は個々人の成長の機会を与える場であり、社員はそのチャンスを掴むために個々人の成長が必要である」に基づく経営陣から現場への権限委譲である。各ホテルの支配人には「自分のホテルと思って判断してよい」と伝え、現場主導の運営を推進。24年からは役職者会議への出席を取りやめ、専務以下の幹部のみで会議を行う体制に変更した。「社長が出ると意見が偏る。現場が考え、決める力を育てたかった」と語る。
その基盤を支えるのは、若手登用と信頼の絆だ。一般社員から執行役員総支配人に昇格した中島氏は、入社5年半でナンバー3に抜擢された。「プロパーが上がると、みんなに夢が生まれる。努力が報われる会社にしたい」と友杉氏は言う。
さらに人手不足に対応するため、社員考案の「一人三役」制度を導入。フロント業務、レストラン、客室管理を横断的にこなす多能工化で生産性を向上させて給与改善に反映させている。「上から命じるのではなく、自分たちで考えたからこそ実行力が生まれる」と友杉氏は微笑む。
原点を貫く理念の力
プレジデントホテル博多という名には、「明日のプレジデントを目指し頑張っているビジネスマンが明日への活力を養ってもらえるようなホテル」という願いが込められている。「大企業のトップは他の高級ホテルに泊まればいい。私たちは“これからのプレジデント”を支える場所でありたい」──この精神は開業以来、変わらぬ指針だ。
象徴となるのが、契約農家の魚沼産コシヒカリを使った朝食である。「この米そのものがブランド。社員にもその価値を体で感じてほしい」との思いから、社員へ支給を続けている。
企業拡大とともに理念が薄れかけた時期もあったが、友杉氏は全社の名刺に「明日のプレジデントに最高の休息を──。」と印字。「原点を忘れず、常にそこへ戻ることが大事」と語る。

現在、同社は”プレジデント”、”ラフォレスタ”、”サードプレイス”の3ブランドを展開し、インバウンド比率は全体の約25%。市場変化に柔軟に対応しながら、「人を大切にする経営」を軸に成長を続けている。
そして友杉氏には、もう1つの夢がある。「博多に1泊5万円クラスのハイクラスホテルを建てたい──。“今日のプレジデント”を迎える場所に」と原点を貫きながらも企業の明確な将来像を描いている。
“明日”を支えてきたホテルが、“今日”の頂点を目指す。その挑戦はこれからも続いていく。
<求人情報>
(株)プレジデントハカタ
業 種 :ホテル運営
職 種 :正社員(フロント、レストラン、客室管理)
勤務地 :福岡市博多区
採用担当:福田順司
TEL :092-411-6659








