【衆院選こぼれ話】わずか2週間の戦い 原口氏と新党の厳しい第一歩

 2024年10月に行われた第50回衆議院選挙。その選挙で、一部の報道では午後8時すぎに当確が報じられるほど圧勝した原口一博氏だが、今回の投開票当日、原口陣営の事務所には前回とは異なる、わずかに重い空気が漂っていた。

 選挙戦の終盤には「高市人気」が急上昇し、世間のムードは自民党圧勝へと傾いていた。投開票日の約2週間前に新党「減税日本・ゆうこく連合」を立ち上げ、愛知の河村たかし氏とともに共同代表に就任していた原口氏。党の代表として開票を見届けるため、原口氏は午後8時前に事務所に入った。

 しかし、最初に伝えられた出口調査では、わずかに劣勢。事務所内では、支援者からため息や落胆の声も漏れた。それでも原口氏は「前々回の選挙では133票差で勝った。まだまだわかりません」と冷静に語り、最後まで希望を捨てなかった。

 原口氏は、これまで対立候補の岩田和親氏と5度選挙戦を繰り広げてきた。初戦こそ敗れたが、その後は小選挙区で4連勝を飾り、30年にわたり国政の第一線で活動してきたベテラン政治家である。

 だが、午後11時20分ごろ、ついに岩田氏に当確が出された。会場は静まり返り、支援者たちの表情にも落胆が広がった。

 そんな中、原口氏は静かに立ち上がり、支援者に向けてこう語った。

 「皆さんのおかげで、道をつくることができました。国民の命が奪われている。その命を守るために、私はゆうこく連合を立ち上げました。政党結成からわずか2週間。ここまで戦えたことも、まさに奇跡の連続でした。選挙を通して訴えることはできました。ゆうこく連合は、これが始まりです。我々は日本の未来を見据えて、まっすぐに歩いていきます。本当にありがとうございました」

 感謝の言葉を述べる原口氏に、支援者たちは万雷の拍手で応えた。原口氏個人としては激戦を展開したが、政党全体としては1議席獲得にとどまり、「減税日本・ゆうこく連合」としては厳しい船出となった。結党からわずか2週間という異例の選挙戦は、有権者への浸透の時間が限られ、支持の広がりを欠いた。政党としての継続的な活動に意欲を示したものの、今回の結果は新党にとって現実の厳しさを突きつけるものとなった。

【内山義之】

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