日本乾溜工業、光石昌弘氏が社長CEOへ 麻生グループ入り後の新体制、麻生巌氏も取締役候補に

 日本乾溜工業(株)(福岡市東区)は10月22日、代表取締役と役員の異動を発表した。常務執行役員で営業部門長COO(最高執行責任者)の光石昌弘氏が、12月18日付で代表取締役社長CEOに就任する予定。現社長CEOの兼田智仁氏は相談役に退く。任期満了にともなう経営体制の変更としている。 

生え抜きの光石氏がトップに

 光石氏は1971年2月生まれ。94年に日本乾溜工業へ入社し、佐賀支店長、建設事業部西ブロック長、経営管理本部副本部長などを歴任。2025年4月には子会社の(株)ニチボー代表取締役社長に就任し、26年4月から日本乾溜工業の常務執行役員、営業部門長COOを務めている。入社から30年以上を同社で歩んだ生え抜きの経営者がトップに立つことになる。

 そのほかの役員人事では、平井崇氏が取締役CFO、羽根田哲次氏、冨田圭一氏が取締役にそれぞれ新任する予定。冨川清氏も社外取締役候補となった。現専務取締役・大谷友昭氏、社外取締役・宇野耕氏は退任する。

麻生巌氏が取締役候補に

 新任取締役候補には、日本乾溜工業の親会社となった(株)麻生(福岡県飯塚市)の代表取締役社長、麻生巌氏も名を連ねた。12月18日の定時株主総会などを経て正式決定すれば、麻生グループとの資本関係が取締役会の構成にも反映されるかたちとなる。

 予定される新体制では、光石氏が社長CEO、濵田雄幸氏が取締役CSO、平井氏が取締役CFOを務めるほか、羽根田氏、冨田氏、麻生氏が取締役に就任する。社外取締役は松田豊彦氏と新任・冨川氏の2人となる。

今年5月に麻生グループ入り

 日本乾溜工業が麻生グループ入りしたのは今年5月。同社は3月、福岡キャピタルパートナーズが運営するファンド傘下のFCP18が保有していた第1回優先株式を整理するとともに、今後の成長に向けた事業パートナーを確保するため、麻生および伊藤忠丸紅住商テクノスチールを引受先とする第三者割当増資を決めた。

 背景には、FCP側が優先株式投資からのエグジットを検討し始めたことがあった。日本乾溜工業は、自社資金や借入金だけで優先株式を買い戻せば財務体質への負担が大きくなるとして、新たな資本パートナーを模索。一方で、地域密着型の事業運営や上場を維持するため、完全子会社化ではなく資本提携を前提に候補企業を検討した。

 そのなかで、九州に幅広い事業基盤をもち、建設事業との親和性が高い麻生をパートナーに選定した。日本乾溜工業は、麻生グループの建設会社との営業ネットワークの連携や技術協力を通じ、受注機会の拡大や事業基盤の強化が期待できると説明していた。

 5月21日に第三者割当増資の払い込みが完了し、麻生は542万5,500株を取得。議決権所有割合は50.10%となり、日本乾溜工業の親会社かつ筆頭株主となった。麻生の代表者は麻生巌氏。日本乾溜工業は福証への上場を維持したまま、麻生グループ入りした。

 今回の役員改選は、それから約7カ月後の実施となる。日本乾溜工業は資本提携の段階から、麻生による経営支援の一環として麻生側から1人を取締役に迎える方針を示していた。今回、その候補として麻生本体のトップである麻生巌氏が名を連ねたことで、資本面だけでなく経営面でも両社の連携が本格化することになる。

【寺村朋輝】

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