ゼンリン、27年3月期中間は減収赤字転落 公共ソリューション反動減、通期利益予想を下方修正
29日、(株)ゼンリン(北九州市戸畑区、竹川道郎代表)は2027年3月期中間連結決算を発表した。それによると、売上高は285億900万円(前年同期比3.4%減)、営業利益は17億6,300万円の赤字(前年同期は8,300万円の黒字)、経常利益は15億4,500万円の赤字(同3億8,800万円の黒字)、中間純利益は3億6,500万円の赤字(同2億6,000万円の黒字)で、減収となったほか、各利益段階で赤字に転落した。
減収の主因は公共ソリューション関連で、前年同期に計上した受託案件や住宅地図データ販売の反動減が響いた。利益面では減収に加え、地図データベースの高精度化やサービス運用費などの増加が重荷となり、営業損益は前年同期から18億4,700万円悪化した。
同社の売上高は季節変動が大きく、第4四半期に集中する傾向がある一方、地図データベース整備費用などの固定費は年間を通じて発生するため、上期は費用が先行しやすい収益構造となっている。ただし、前年同期は営業・経常・最終利益とも黒字を確保しており、今回は季節性に加えて公共ソリューションの反動減やコスト増が利益悪化につながった。
中長期経営計画「ZGP2030」の事業区分別では、プロダクトソリューション事業の売上高が70億5,500万円(同3.5%増)、マーケティングソリューション事業が31億8,300万円(同6.0%増)となった。インフラソリューション事業も81億100万円(同0.5%増)とほぼ前年並みだった。
一方、公共ソリューション事業は31億6,300万円(同28.4%減)と大幅に減少した。省庁や自治体業務のデジタル化、市民サービス向上を支援するサービス・商品を手がける事業で、前年同期に計上した受託案件などの反動が出た。モビリティソリューション事業も、自動車メーカー向けなどを中心に70億500万円(同3.0%減)となった。
一方、特別利益として投資有価証券売却益7億9,100万円、段階取得に係る差益3億9,400万円など計11億9,000万円を計上したことで、最終赤字は営業・経常段階に比べ圧縮された。
同社は同日、27年3月期の通期連結業績予想を修正した。売上高は従来予想の660億円(前期比2.7%増)を据え置いた一方、営業利益を36億円から22億円(同37.2%減)へ、経常利益を39億円から26億円(同32.8%減)へ、当期純利益を25億円から24億円(同12.4%減)へそれぞれ下方修正した。
下方修正の要因として、プロダクトソリューション関連で新商材の市場投入が遅れたほか、フロー商材の販売が減少。モビリティソリューション関連でも、自動車メーカーの車載システム構成の変化や、生産・開発計画変更の影響による減収を見込む。売上構成の変化による売上原価の増加も利益を圧迫する。一方、期中に連結子会社化した(株)Will Smartが売上増加に寄与することから、売上高予想は据え置いた。
【寺村朋輝】









