26年地価調査・福岡県、7割が上昇も下落地点増加

 9月、「令和8年度地価調査」の結果が発表された。福岡県においては、県内全60市町村に設定した基準地922地点で、全用途平均の対前年変動率は+2.8%と、前年度の+3.7%から上昇幅を縮小した。地価のプラス転換から11年連続の上昇となったものの、住宅地・商業地・工業地の全用途で上昇率が前年を下回り、県内の地価は一段の高騰から減速局面に入りつつある。906地点のうち上昇したのは632地点(前年639地点)で、全体の約7割を占める。一方で、横ばいは126地点(前年124地点)、下落は148地点(前年144地点)と、下落地点は3年ぶりに増加に転じた。用途別に見ると、住宅地の下落は126地点(前年120地点)に拡大し、商業地では178地点(77.4%)が上昇、工業地は51地点中48地点と9割超が上昇した。

福岡県の平均変動率順位(都道府県別)

 全国の都道府県と比較した用途別平均変動率の順位は、全用途で6位(前年5位)、住宅地6位、商業地7位、工業地7位と順位は後退したものの、依然として上位を占めている。住宅地の下落率最大は京都郡みやこ町の▲3.0%で、筑豊・京築エリアの下落が目立ち、商業地では築上町(▲2.2%)などが下位に並んだ。県内でも上昇の続く福岡都市圏と、下落・横ばいが続く地域との二極化が鮮明になった格好だ。

 平均価格は全用途で1m2あたり18万7,700円と、前年の17万8,300円から2.8%上昇。用途別では住宅地7万8,300円(+2.1%)、商業地51万2,300円(+4.0%)、工業地5万7,700円(+6.4%)となっている。

 住宅地(60市町村)で上昇したのは39市町村と前年から1増加し、下落は19市町村だった。福岡市、春日市、大野城市、粕屋町の4市町は14年連続で上昇し、筑紫野市など福岡都市圏では長期にわたる上昇が続いている。宮若市(▲0.3%→+0.5%)と広川町(0.0%→+0.1%)が上昇に転じた半面、行橋市(+0.1%→0.0%)が横ばいへ後退した。

 住宅地については、建築費の高騰や土地価格、住宅ローン金利の上昇などの影響で、地域によっては戸建住宅や分譲マンションの売れ行きが鈍化し、地価上昇が減速。福岡市(+7.2%→+5.5%)、宇美町(+7.3%→+5.8%)、粕屋町(+8.3%→+6.6%)、筑前町(+8.1%→+6.7%)と上昇幅の縮小が鮮明になっている。一方で、都市部の一部エリアではなお高い上昇が継続している。

 商業地は、駅からの接近性に優れた商業地を中心に、高い上昇が続いている。福岡市(+10.2%→+8.1%)、大野城市(+11.8%→+8.8%)では上昇幅が縮小したものの、春日市(+7.4%)は前年並みを維持。店舗・事業所用地としての需要が堅調な糟屋郡の町部では、志免町(+10.8%→+10.2%)が2ケタの上昇を続けた。

 工業地は上昇率が縮小したものの、依然として物流施設用地需要が牽引し、用途別で最も高い+6.4%となった。新宮町(+20.2%→+15.1%)、筑後市(+15.7%→+14.8%)、志免町(+15.7%→+14.5%)などが、引き続き大きく上昇した。

【永上隼人】

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