価値ある『製品』から『商品』への飛躍を、地方密着型が支える世界のSUZUKI
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(株)スズキ自販福岡 前代表取締役社長 古庄 誠一
地域社会に根ざした視点で捉える
自身転勤族だと語る、古庄誠一氏。沖縄、広島、近畿、関東一円と、スズキ自動車のシェア拡大のために奔走したと言っても過言ではないキャリアを持つ。与えられたフィールドで、古庄氏は実にユニークな活動を展開し、スズキ自動車の販売台数増加に尽力してきた。
たとえば沖縄。「沖縄は、本土の人間から見ればまさに琉球王国。まったく風土、文化が異なっています。一番驚かされたのは、道路を逆走している車を見たときです。これではダメだと感じ、スズキのオーナーさまにハイビスカスのステッカーを配布し、そこにスローガンとして『目指そう交通楽園』の言葉を掲げてもらいました。スズキの自動車を運転する方は、交通マナーのレベルが一味違うぞという意識付けをしてもらうわけです」(古庄氏)。
また大阪では、学校法人・専門学校HALや学校法人・専門学校モード学園と協力し、業界では初となる産学連携プロジェクト「カーライフスタイルコンテスト」を実施。学生たちが若い感性を発揮できる場の提供であり、最優秀賞は実車化され販売店舗に展示されるため、スズキ自販にとっても良い宣伝になる。
独自性に溢れた古庄氏の活動は、これまで縁のなかった人と人とを結びつけ、メディアを巻き込み、スズキ自動車にとって最良のかたちとなってエンドユーザーへと広がっていく。その実績は高く評価され、古庄氏はスズキ㈱勤務時、二輪、マリン、四輪すべての代理店社長に任命されている。「自分の経歴のなかでも、最も光栄なできごとでした」(古庄氏)。
そろばん勘定でなくユーザー目線を
現在、押しも押されもせぬスズキの人気車種「ハスラー」。スズキ自販福岡でも毎月200台の販売実績をコンスタントに上げ続けていたという。「自動車の役割を、単なるA地点からB地点へ人・物を運ぶだけに限ってしまうのではなく、人間関係の醸成や、車に乗る以外の楽しい時間を提供することができるものにしていく必要があります。ハスラーはそれができた。だからこそ、多くの方に支持されているのだと思います」(古庄氏)。
古庄氏には、常に心がけていることがある。「必ずユーザー目線を取り入れることです。価値ある製品を提供したつもりでも、最後にその製品を手にし、実際に評価をくださるのはお客さまです。単なる『製品』で終わらせず、長く愛される価値ある『商品』として市場に迎え入れてもらうためにも、ユーザー目線は絶対に忘れてはいけません」(古庄氏)。
女性購買客が増加傾向にあるなか、スズキ自販福岡では女性営業チーム『うめっ娘クラブ』を結成し、女性客への対応の充実を行っている。「私も含め営業マンは何の疑問もなく『試乗車ありますよ』と口にしてしまいますが、彼女たちは『お試しで乗れますよ』とお客さまに説明するのです。この柔らかい言語感覚には、女性のお客さま視点がこれまで欠けていたなと、ハッとさせられました」(古庄氏)。
古庄氏は語る。「グローバル市場で生き残っていくためにも、二輪時代からお付き合いのある代理店さまと協力して、『地域密着型』で国内市場の足場固めを徹底していくことが大切だと思います。また福岡のまちでいうと、貢献意識の高い団塊の世代を活用してもらい、シニアも活き活きと立ち働くことができるまちになってほしいですね。テーマは、『目指そう! 健康楽園構想』でしょうか。たとえば週末だけでも、海岸線のゴミ拾いなどのボランティア活動を呼びかける。それだけでも、まちのイメージは変わってくると思います」。
古庄氏が発信し続けたSUZUKIの魅力は、次世代に引き継がれ、これからも世界中で共有され続ける。
※記事内容は2015年8月31日時点のもの
<COMPANY INFORMATION>
(株)スズキ自販福岡
代 表:柳川 佳宏
所在地:福岡県糟屋郡粕屋町仲原鶴町2567-10
設 立:1979年1月
資本金:5,000万円
TEL:092-621-6161
URL:http://sj-fukuoka.jp/<プロフィール>
古庄 誠一(ふるしょう せいいち)
1950年1月生まれ。(株)スズキマリン、スズキ二輪、スズキ自販、スズキ(株)でトップ、役職を歴任。関連キーワード
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