【十八・親和合併】薩長同盟か呉越同舟か、寝耳に水の現場の反応
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ふくおかファイナンシャルグループ(以下、ふくおかFG)への傘下入りにともなう親和銀行との合併というニュースに、何よりも驚いたのは両行の支店長をはじめとする現場の行員たちだったようだ。「いずれは(合併が)あるとは思っていたが、まさか親和とは…」と、十八銀の行員の1人は言葉が続かない。長らく、長崎県内でしのぎを削ってきた間柄である。
ショックが大きかったのは、すでにふくおかFG傘下の親和銀よりも十八銀のほう。ふくおかFGに移行するために必要な事務作業やシステムの変更、やらなければいけないことはたくさんある。一方、あるベテラン行員は取引先の前で、「ふくおかFGに入った後では、先輩たちと同じようにはいかないだろう」と、定年後を憂慮してぼやいた。合併の発表があった2月26日の夕方、両行はそれぞれ支店長会議を実施。合併に関して、行員への説明や取引先への対応などについて上意下達がなされたのだろうが、その前に外へ漏れるほど現場の動揺は大きかった。
地元・長崎の政治家や経済人の多くは、今回の合併について「地域発展に貢献を期待」などといったコメントを寄せている。しかし、地場企業の経営者からは、「十八と親和が1つになれば、地元で対抗できる地銀はない。これまでの競争がなくなり、融資がキツくなるのでは…」と、不安の声があがる。地域経済活性化のための薩長同盟か、はたまた己の保身のための呉越同舟か。顧客の前で自分の先行きを憂えた行員のぼやきを、複雑な思いで地場企業は受け止めただろう。
【山下 康太】
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