アビスパ福岡への出資で地元・福岡の活性化へ尽力する(前)
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(株)システムソフト 代表取締役社長 吉尾 春樹
(株)システムソフトは、設立当初はコンピューターのハードウェアおよびソフトウェアの開発・販売を行い、次第にシステム開発、WEBマーケティング、ITサービスマネジメントやITガバナンスへの事業に進出し、地場のIT業界を牽引する存在となって現在に至る。本社を東京に置きつつも、地元福岡への思いは強い同社。事業を通じての地域の活性化について、同社代表取締役社長の吉尾春樹氏に聞いた。
地場のITソリューション業界をリード
システムソフトは、1979年9月にコンピュータハードウェアおよびソフトウェア開発を主たる事業として、(株)システムソフト福岡の商号で設立。83年5月にソフトウェア開発事業を分離・独立させて、現在の商号として営業をスタートさせた。90年10月に東京営業所を開設し、本格的に東京の市場の開拓に着手。この頃より、ゲームソフト開発だけでなく、幅広いジャンルのソフトウェアの開発を進めていくこととなる。その後、アプリケーションなどソフトウェア開発とともに、システムの開発の受注が発生し始めてきた96年11月に、同社の株式を店頭公開(現・ジャスダック)し、経営基盤の強化を実施した。
98年11月には、子会社(株)システムソフト・プロダクションを設立し、ゲームソフト事業を移管(後に営業権を譲渡)。2000年代の初頭にiモードのプロ野球速報、銀行向けの顧客情報、情報誌編集支援、市町村向けの災害対応支援の各システムの開発・稼働を開始し、同時期に災害時の避難所向けの情報端末を開発。現在の事業の体制へ進行してきた。04年10月にホームページ情報公開システムの開発を本格的にスタートさせたことで、システム開発事業のシェアが高まり、05年11月には、(株)アパマンショップネットワーク(現・(株)アパマンショップホールディングス)が公開買い付けで同社の株式の過半数を取得。
同社は設立以来、その時代に沿った流れで同社が培ったIT技術を駆使して、顧客にサービスを提供し続けてきた。その地道な積み重ねによって、福岡地場のITソリューションの第一人者の存在となり、システム開発を中核にした事業展開をつくり上げている。とくに近年においては、不動産ポータルサイト「APAMAN」や「賃貸情報」の開発・立ち上げ、運営を行うなど不動産情報のシステム開発に強みを見せている。そのほかのジャンルのシステム開発でも同社の秀逸な技術開発力で、顧客の高い信頼を得ている。
「おかげさまで業績は順調に推移しております。弊社の事業の柱は、システム開発・WEBマーケティング・サービスマネジメント事業です。とくにシステム開発においては、14年2月より弊社の得意とする不動産分野のノウハウを生かし、全国賃貸管理ビジネス協会グループ事業子会社の全管協ポータルサイトさまとの取引を開始し、新たに賃貸物件のポータルサイトの開発・運営を立ち上げました。そして同年6月にサービスマネジメント部を新設し、ITサービスマネジメントやITガバナンスの支援を通じて、お客さまの情報部門における業務遂行品質の向上、IT活用と生産性の向上を推進する事業を開始しました。ほか、子会社の吸収合併などで、事業のマネジメントの効率化を実施しました。売上高は13年9月期より18.3%増で営業利益、経常利益がそれぞれ43%増、当期純利益は約80%増と良好な結果を残せました」と、吉尾代表は語る。
この売上高の上昇により、売上債権の回収が進展したことと、子会社などの合併による受入で、現金および預金が13億円から24億円に増加し、流動資産が増強された。また、固定資産に関しては、約70%が『のれん』である。当期純利益の大幅増により利益剰余金が5億円増え、純資産が67億3,657万円で自己資本比率93%となり、それによって1株当たり2円の配当を実施した。一方で、内部留保が増えて財務面はより強固な体質となったが、「もっと配当は出せないのか?」「内部留保ばかり高めて資本の有効活用として事業への積極的な投資をもっとするべきではないか。自己資本比率が高すぎるのでは」などの指摘を株主から受けているという。これについては、「たしかに配当を増やし、資産を有効活用できればベストでありますが、その点は社内で中長期的な視野で検討し、判断させていただく所存です」と吉尾代表は語る。
(つづく)
※記事内容は2015年8月31日時点のもの
<COMPANY INFORMATION>
(株)システムソフト
代 表:吉尾 春樹
所在地:東京都千代田区紀尾井町4-1
福岡本社:福岡市中央区天神1-12-1
設 立:1979年9月
資本金:14億8,524万円
TEL:092-732-1515(福岡本社)
URL:http://www.systemsoft.co.jp<プロフィール>
吉尾 春樹(よしお はるき)
1960年6月生まれ。長崎県出身。県立長崎西高等学校から東京大学法学部を経て、83年4月に日本電気(NEC)入社。そこでの経験をもとに、92年7月に同社に転身。企画部長、エンジニアリング事業部長を経て、2005年12月から同社代表取締役社長。法人名
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