アビスパ、今季初勝利お預け
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J1のアビスパ福岡は、3月23日ヤマザキナビスコカップ(グループステージ 第1節)がレベルファイブスタジアムで、柏レイソルを迎えて行われた。(19:00キックオフ)
結果は、2-2の引き分けに終わった。前半は、アビスパが試合を完全に支配していた。フィールドを広く効果的に使いながら、より速いパスワークと選手間の連携、そしてアビスパの持ち味であるハードワークで、チャンスメークを行っていた。攻撃面でのアグレッシブなパフォーマンスにより、17分MF城後寿選手の先制点、30分にFWウェリントン選手がPKを決めて、前半2-0で終了。
後半も、序盤はアビスパのペースで進んでいったが、決定的な機会にシュートを逃してから、流れがレイソルへ傾いた。ボールの支配がレイソル優位となり、アビスパが押され気味の試合展開となっていった。55分と77分にレイソルに得点を献上し、その後も再三ゴールに迫られたが、アビスパの健闘によりしのいで、タイムアップ。前半を2-0で折り返し、試合自体をアビスパが支配していたので、このまま後半もアビスパのペースで進んでいくであろうと予想していた。しかし、J1は甘くない。絶好の機会を逃した直後から、完全にレイソルのペースになり、残り時間13分で追いつかれた。70分過ぎからアビスパの選手の運動量が落ちてきたのがフィールドから見てわかった。サッカーは残り15、20分から、先発選手の体力の消耗度は激しく、極限状態に近いものとなる。アビスパは、J1の仕様に近づいてきているが、さらなる向上が必要である。個々がマッチアップした時に、走り勝つ、競り勝つことが、試合の主導権を握るベースとなる。後半の途中まで、アビスパはゲームを支配していた。J1で互角に戦えるポテンシャルは、十分にある。
井原正巳監督は、「采配など、自分の力のなさ」と述べているが、そうは感じない。むしろ逆である。対戦や試合展開によって戦法やフォーメーションを、こだわりや固執することなく、柔軟にアジャストさせるような采配を行っている。
残念ながらJ1初勝利はお預けとなり、J1の厳しさを体感したと思うが、持ち味のハードワークと全員守備は、健在だ。
選手に対して厳しい声を発するサポーターも一部にはいたが、健闘をたたえるアビスパのサポーターがほとんど。90分間、諦めず最後まで戦っている選手たちの姿勢が伝わっているのである。次節以降も、厳しくも温かな声で、アビスパを応援していきたい。【河原 清明】
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