韓国経済ウォッチ~韓国総選挙の意外な結果(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
韓国では13日、定数300人、任期4年の国会議員を選出する総選挙が行われた。投票は即日開票され、14日の未明に総選挙の結果は明らかになった。
今回の総選挙は、与党と朴謹恵(パク・クネ)大統領の政策に対する評価とともに、来年の大統領選挙に対する予備選のような意味合いもあるため、与野党は総力を尽くして今回の総選挙に臨んだ。当初の選挙の予想では、野党の支持票が分散することになるので、与党は180議席近くを確保するだろうということだった。だが、蓋を開けてみたら、与党はまさかの過半数割れになり、惨敗を認めざるを得ない状況だ。
まず総選挙の結果を整理すると、次のようになる。最大野党である「共に民主党」は123議席を確保し、最大の議席を確保することになった。このような結果は、与党に対する失望、政策失敗への国民の不満が噴出したのだと受け止められている。与党への不満が首都圏での「共に民主党」の圧勝、それから与党の支持基盤でもあった江南と京畿地域でも、野党議員が当選する結果をもたらした。
与党である「セヌリ党」は122議席で、当初の予想に反して過半数を大きく割り込んだ。与党は野党が2つに分裂した漁夫の利で圧勝を収めると信じ、公認の過程で非朴系の人物を排除する一方、親朴系の人物を公認するなど、内輪もめで国民のひんしゅくを買ったりした。
また、朴大統領は国会審判論を主張するなど、国政運営の責任を国会の非協力のせいにしていたが、選挙の結果は、国会審判より政権審判というかたちで現れた。ところで、今回の選挙のハイライトは、何と言っても「国民の党」の躍進であろう。「国民の党」は去る1月に発足したばかりの政党であるが、今回の選挙で38議席を確保した。
「国民の党」の共同代表に就任した安哲秀(アン・チョルス)氏は、もともとIT企業の社長やソウル大学教授などを歴任し、清新なイメージで政界にデビューした。既存の政治に嫌気をさした若い層の支持を受け、2012年の大統領選に立候補を表明した。だが、野党候補を一本化しないと選挙に敗北し、その責任が自分におよぶと思い立候補を辞退した経緯もある。その後、国会議員となって政界入りする。最大野党で副代表などを務めるが、それほど活躍できず、今年に入って「共に民主党」は今の体質のままでは未来がないと宣言し、「共に民主党」を離党。その後、「国民の党」を発足させ、「国民会議」と合併し、今回の選挙に臨んでいる。
「国民の党」は、今回の総選挙で光州では8議席全部を、それから全南では10議席中8議席を確保し、今までの「共に民主党」の基盤であった全羅道では確たる基盤を築くことに成功した。「国民の党」の躍進は、今後、安氏の大統領選挙にも良い影響を与えるだろう。その他に「正義党」が6議席を、それから無所属で当選したのが11人であった。
(つづく)
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