【熊本地震最前線レポート】（22）～震源地付近の健康食品・化粧品会社も被災

　14日夜に熊本県益城町で震度７を観測した地震により、震源地の益城郡近くに集積している多数の健康食品・化粧品の製造販売会社にも被害が出ている。ただし、各社からの情報によると、人的被害や大規模な被害はなかったようだ。

　健康食品受託製造業の森川健康堂（株）（本社：熊本県上益城郡）の東京営業本部へ問い合わせたところ、「社員の無事は確認できた」とし、「工場の建屋は無事のようだが、内部は損壊もあると聞いている」と説明。取引先企業からの問い合わせも多いという。

　健康食品製造販売業の森川ローヤルゼリー（株）（本社：熊本市富合町）では、「棚の置物が落ち、屋根瓦が崩壊した」が、被害は軽微だった模様。ビワを用いた健康飲料や医療機器を販売する（株）エス・エフ・シー（本社：熊本市島町）は、「余震は続いているが、皆無事だった」としている。

　健康食品通販企業の（株）えがお（本社：熊本市東区）では、「社員の安否は全員無事で確認済み。社員一丸となって顧客の対応に従事している」といい、本社ビルの１階フロアを近隣住民に開放し、食事を提供している。

　また、化粧品通販企業の（株）再春館製薬所（本社：熊本県上益城郡）では、「社員は全員無事であり、建物は一部窓が割れるなどの被害があった」としている。自社敷地内にある製造工場については、「荷物・資材の倒壊の報告を受けている。製造機器については確認中」。現在、フリーダイヤルの注文・受付は止めており、インターネットのみで注文を受けているが、国道や高速道路などの一部通行止めの影響からか、「荷物の発送に遅れが出ている」と話している。

　馬油化粧品製造販売業の肌美和（株）（本社：熊本県上益城郡）では、「工場の建屋や製造設備に大きな影響はなかったが、棚の荷物が多く崩れるなどの被害はあった」という。

【小山　仁】