(株)ペンシル新旧社長インタビュー~新体制で新たなステージへ(4・終)
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(株)ペンシル 取締役会長 覚田 義明 氏
代表取締役社長COO 倉橋 美佳 氏独自の研究で蓄積してきたノウハウを基にWebサイトを分析し、クライアントの売上や成約アップにつなげていく研究開発型Webコンサルティングを手がける(株)ペンシル。同社は6月1日付で、これまで代表取締役社長を務めてきた覚田義明氏が代表権のない取締役会長になり、後任にはこれまで取締役COOを務めてきた倉橋美佳氏が就任するという新たな体制へと移った。今回の体制変更の経緯や同社の今後の動きなどについて、新旧社長のお2人に話を聞いた。
(聞き手:弊社リサーチ事業部副部長・鹿島 譲二)
福岡の地からグローバル展開を
――今後、ペンシルはどのような方向を目指されていきますか。
倉橋 基本的には、これまでの方向性とそんなにズレがないと言うか、ずっとやってきたことを今後も、会社としてきちんとやっていきたいと思っています。
新たに挑戦していきたいこととしては、これはもともとペンシルがやっていたことでもあるのですが、クライアントのサイトのすべてを見ていくことを、より極めていきたいと思っています。やはり昔のまだ人数が少ない頃というのは、1つのクライアントのサイトを全部見ることができていましたが、段々と規模が大きくなっていくにつれて、どうしてもここの一部分だけを見るとか、細分化されてしまいました。もちろん、その分私たちにも専門性は出てきたのですが、それをもう1度、全部を見ることのできる会社にしたいなと思っています。今は、環境面でもスマホが中心になってきたりだといった変化もありますし、そうしたものにも適応しながら、より深い研究データを基に、クライアントを発展させるお手伝いをしていきたいです。あともう1つは、今までやってきていない海外ですとか、そういった新しいマーケットを探ることをやっていきたいと思っています。それは3年前に海外に視察に行ったりしたところからスタートしているプロジェクトなのですが、日本で売上を伸ばし続けるために、海外の企業の支援だったり、日本の企業の海外進出支援だったり、そういったことをすることで、私自身もサービスの幅、領域を広げていって、より深いコンサルティングができるようにしていきたいな、と思っています。
――今年は台湾法人を立ち上げられて、そこの社長にもなられていますね。
倉橋 台湾に関しては、最初のファーストステップでやろうとしていまして、ある程度基盤ができています。台湾では1年くらい前から取り組みをしているのですが、ある程度かたちができたので、現地法人を立ち上げたという次第です。それ以外のアジア圏に関しても、情報収集等々はしていますので、基盤ができれば現地法人がつくれるような体制でいきたいなとは思っています。
――海外でのクライアントは、現地進出している日本企業になるのですか。
倉橋 そうですね。あとは、日本の企業さんでこれから出るところとかですね。そういったところの支援もしています。
――ペンシルとして、何か数値的な目標のようなものはありますか。
倉橋 具体的な数値目標は出していないのですが、スタッフの数は増やしていきたいなと思っています。現在、研究の領域がすごく深くなっている分、1人が見ないといけない領域が、また増えてきてしまっているんですね。なので、深くもやりたいし、広くもやりたいと思っていると、スタッフの数はとにかく増やしたいと思っています。そうすると、やはり会社としては売上とか利益も増やしていかなければなりませんので、結果として増える、というような感じかと思っています。
覚田 ペンシルでは、もともと売上を伸ばしたいとか、社員数を増やしたいということはありません。ただただクライアントを成功させたいわけです。成功させるためには、この「成功シート9.0」にあるように、今14ステップ、98ジャンル、576項目があるわけです。これを1つずつやろうと思うと、人がいります。人がいれば、誠実な、本物のコンサルティングサービスができるわけです。そうすると、その人を雇うために売上がいります。売上がすべてではないのですが、クライアントを成功させることによって、クライアントの信頼を得て、結果的にクライアントから対価としてコンサルティング費をいただける。なので、私たち自身は一度も自分たちの売上目標とかを掲げたことはありません。
――以前、覚田会長へインタビューした際、福岡から本社を移すことはないとおっしゃっていましたが、それは今後も変わりませんか。
覚田 それは変わりません。倉橋に任せられる理由の1つとして、福岡が大好きで、福岡絶対本社主義ということもあります。お互い、福岡を良くしたい。そして福岡から日本中を、福岡から世界中を、という気持ちをずっと持っていますから。
倉橋 現在、ペンシルには130名のスタッフがいますが、その97%は福岡在住です。これからも福岡の地で、クライアント第一主義のWebコンサルティングサービスを続けていきます。
――倉橋社長率いる新たなペンシルのご活躍を期待しています。
(了)
【文・構成:坂田 憲治】<COMPANY INFORMATION>
代 表:倉橋 美佳
所在地:福岡市中央区天神1-3-38
天神121ビル5F
設 立:1995年2月
資本金:5,200万円
売上高:(16/2)21億5,462万円
URL:http://www.pencil.co.jp/<プロフィール>
覚田 義明(かくだ・よしあき)
1995年に研究開発型Webコンサルティング会社の(株)ペンシルを設立。分析を強みとし、ライオン、カゴメ、江崎グリコ、リンナイ、全日本空輸、日本ベリサインなど多くの企業のWeb戦略を成功に導く。今年6月から取締役会長に就任。また、一般社団法人ペンシルアカデミーを立ち上げ、代表理事に就任した。<プロフィール>
倉橋 美佳(くらはし・みか)
1978年生まれ、福岡市出身。九州芸術工科大学(現・九州大学芸術工学部)卒業後、2003年に(株)ペンシルに入社。R&D事業部マネージャー、取締役を経て、14年に取締役COOに就任。そして今年6月に、代表取締役社長COOに就任した。なお、5月20日に営業を開始した台湾現地法人の台灣朋守有限公司の董事長も務めている。関連記事
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