観光客数増も収益激減 ラオックス中間期、最終赤字転落
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17日の日本政府観光局の発表によると、2016年7月の訪日外国人観光客数は前年同月比19.7%増の229万7,000人で、単月で過去最高となった。懸念された熊本地震による影響は、九州方面で団体旅行の販売が鈍いものの、徐々に好調を取り戻しつつあるようだ。16年度の訪日外客数自体は毎月前年度を上回る伸びを見せている。
こうしたなかで、ラオックスの16年12月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比22.4%減の350億6,200万円に、経常利益が同91.6%減の4億1,700万円に激減した。純損失は4億6,400万円と赤字転落。同期は「福岡キャナルシティ博多店」などの増床、改装や3店を新規出店した。前年同期6店の出店と比べて勢いは衰えたが、「爆買い」を狙った地方への出店ラッシュによる費用負担が響き、販管費は19.1%増えた。前期130.45%あった当座比率は46.55%に落ち込み、手元流動性に陰りが出てきた。大幅な収益の減少で、16年12月期の業績予想は修正を余儀なくされることとなり、売上は当初予想から約30%減、経常利益は約85%減とした。
収益激減の背景には、時計や宝飾品、家電などの高額商品の売れ行きが鈍り、化粧品など安価な日用品へニーズがシフトした購買動向の変化のほか、いわゆる「コト」から「モノ」への消費の移り変わりなど複数の要因がみられる。ラオックスは品揃えの見直しに着手しているが、単価の低い日用品を増やして家電や時計の売上ロスを補うことは難しい。今後は日本のライフスタイル体験を提供し「コト」消費のニーズにも対応する考えだ。
政府は今年3月、2030年の訪日外客数目標を15年度の約3倍となる6,000万人に設定した。ラオックスがよすがとするのはそうした、日本はまだインバウンド市場拡大の初期段階にあって、今後はまた成長路線に戻るという見通しだ。9月には新たに見直した中期経営計画を発表する。「爆買い」の波に乗り出店攻勢で収益を拡大してきたが、慎重な戦略が求められる時期に達した。
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