乳児用液体ミルク、許諾・販売へ
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厚生労働省は、国内では製造・販売されていない「乳児用液体ミルク」についての規格基準の検討を開始した。乳児が摂る人工栄養としては、日本国内では「粉ミルク」だけが許可されてきた。粉ミルクは乳児が飲めるようにするためには熱湯で溶く必要があり、外出先や災害時では不便だった。厚労省の省令で「(牛乳などに)必要な栄養素を加え粉末状にしたもの」という規定があるため、粉末ミルクだけが許諾されている状態だ。
欧米で主流の液体ミルクは、開封した容器に乳首型の吸い口をつければそのまま授乳可能。常温で保存できるため持ち運びにも便利だ。4月の熊本地震で、フィンランドからの支援物資として液体ミルクが配布されたことで認知が高まっていた。
厚労省は開封後の衛生状態や食中毒の危険性などについて業界団体にデータを提供するよう依頼しているが、海外では特段の問題なく流通しているものだけに、安全なデータが得られることはほぼ間違いない。速やかな省令の改正、液体ミルクの流通開始が望まれる。また、これは飲料メーカー・製薬メーカーなどにとって新たな商機であることも間違いない。
外出中の授乳がより容易になることで、出産した女性の社会復帰や男性の育児参加がより進むことが期待できる。液体ミルクが、授乳期の子どもを持つ男女の働き方をより柔軟にしてくれることだろう。
【深水 央】
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