イラン攻撃で世界秩序は変わるか(1)ドバイ拠点のゴールド取引ビジネスが中断

ドバイ 空港 イメージ    友人Aは3年間かけてゴールド取引を開拓していた。ところが今回、イスラエル、アメリカのユダヤ軍団によるイラン攻撃によって、Aのビジネスは砂上の楼閣のごとく崩れ去ってしまった。素人にはまったく縁がなく耳にしたこともなかろうが、ゴールドの個人間(企業も含む)取引はアフリカがトップである。採掘量も半端ではない。

 Aがアフリカとドバイを往復した回数は50回に上るのではないか。分かりやすく説明すると、スーダンで採掘されたゴールドを仕入れてケニアへ運ぶ。ケニアから飛行機でドバイに空輸する。そしてドバイのバイヤーに買ってもらう。このビジネスは20年以上前から存在していたようだが、このことを知ったAは自身もゴールドのビジネスを3年前に着手した。

 このビジネスの成否を分ける要は、人間の信頼関係であった。信頼を得るまで3年間かかったのである。2年間はせいぜい1回の取引額は10kg止まりであったというが、その2年間は投資先行であったため、ビジネスの結果はプラス・マイナスゼロとなった。その後も死に物狂いで努力を重ねた結果、半年前から1回500kgの取引実績ができるようになったという(1カ月に1回)。取引金額は相場に左右されるが、110億円から120億円の取引となる。

ドバイに飛行機が降りず

 ところが、6日のことである。Aから息も絶え絶えとでもいうような電話がかかってきた。「イラン攻撃以降、ドバイ空港の離発着がストップとなっている。これが1カ月続けば破産しかねない」と語るのだ。電話の向こうで蒼白となっているAの顔が筆者の眼前に浮かんだ。今回のイスラエル・アメリカによるイランへの攻撃は、さまざまなドラマを生じさせている。

 今後、「イラン攻撃で世界秩序は変わるか」シリーズを連載する。

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