現代の奇書・國重惇史(元・住友銀行取締役)著『住友銀行秘史』でわかった、銀行が潰れる理由(わけ)
詐欺師に騙される世間知らず=磯田一郎元頭取
週刊朝日の10月28日号で、『地銀が消える日』という特集が組まれていた。結論から言えば、「現在ある105行が20行に大編成される」というものだ。おそらく、銀行員の大リストラが始まるであろう。
原因としては、(1)地方における人口の急減による経済活動の減退、(2)融資先がない、(3)日銀の金利政策による貸出収益の可能性が絶滅(金融機関のビジネスモデルの終焉)、(4)日銀に続いて金融庁・財務省などがこの大編成を後押ししていること――が挙げられる。
しかし、銀行の淘汰は今に始まったことではない。1990年から91年にかけて表面化した「イトマン事件」に見られる住友銀行の応対ぶりに、潰れる銀行の体質が露呈されている。当時の磯田一郎会長が、こうもやすやすと“ヤクザ詐欺師”に騙される様を見て、唖然とした。高学歴バンカーの手を簡単に捻ってしまうのである。
また、このスキャンダラスな前代未聞の不正融資を、平然と黙視する経営幹部たち。ただ、我が人事に都合良く利用することしか眼中にない連中である。彼らに「住友銀行のために」という使命感は、まるでない。
そこに、正義を貫き、クビを覚悟して立ち上がった1人の孤独なヒーローが出現。大蔵省とマスコミに「内部告発状」を送り続けた。この英雄的な行為が、結果として“イトマン詐欺師”に騙される融資の泥沼から、住友銀行を救い出した。
その人こそ國重惇史氏であり、本の著者である。このドキュメント書は、銀行小説とは比較にならない迫力を持っている。10万部は売れるであろう。
ただし、「なぜ今なの?」という疑問は残る。「25年が経過して、なぜ今出版なの?」という設問である。あと10年早ければ、20万部は売れていたはずだ。時間経過も間もなくであったから、インパクトが全然違っていた。そのため、「今になって出すのは、経済的に困っているのであろう」という下衆の勘繰りを生む。このシリーズ(2)で指摘していた通り、国重氏は奔放な不倫を繰り返していると聞く。「その金策のために出版した」という、下衆の勘繰りなのである。
本人の不倫云々はさて置き、『住友銀行秘史』の評価は抜群に高い。「否定されるものではない」と断言する。
データ・マックスがプレゼントする絶品本
著者の國重氏は、この本でたびたび書いている。
「何かが起きている。このバブルを謳歌している日常の裏で、恐ろしい出来事が起きていることを察知した。この手帳をつけ始めたのも、これは住友銀行史、いや、日本の金融史、経済史に残る大きな事件になると思ったからだった」と。
住友銀行救出のために戦う國重氏は、一時は孤軍奮闘を余儀なくされた。ことの本質を理解してくれる同志たちは、容易には現れなかった。理解はしても、行動をともにする者たちは稀少であった。普通の神経ならば、孤独さにくじけていただろう。本人は並外れた神経の持ち主だ。
だが、ことの重大さを認識し、『住友銀行を防衛しよう』という同志たちが増え、結束し始めた。この時点から、強力な流れが固まった。
さて、本の紹介はここまでにしよう。同書『住友銀行秘史』は、データ・マックスがプレゼントしたくなる絶品本である。関心のある方は、下記の手続きに沿って申し込みされたし。
(つづく)
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