シリーズ・金融機関淘汰の時代がやって来た(4)~生き残る銀行の条件
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OB「銀行は潰れる」と一喝
昨今、銀行の再編が加速化している。メガバンクは、みずほフィナンシャルグループ(以下FG)、三菱UFJ FG、りそなホールディングス(以下HD)、三井住友FG。地方銀行においても、全国各地で統合および傘下入りの組織が形成されている。九州では、ふくおかFG(2017年4月に十八銀行が傘下入り)、九州FG、そして直近では(株)西日本シティフィナンシャルホールディングス(以下FH)が10月に設立された。
一方、「担保至上主義で自己保身を優先する銀行は必ず淘汰される」と、“融資を受ける側”の国内銀行に対する評価は依然として低い。安全・安心な担保を取っての融資にこだわり、貯蓄よりも投資を促したいという政府の意向に反し、投資商品では顧客の資産を増やすことよりも自行の手数料を優先させる方策ばかり。一向に国民の投資意欲は高まっていない。
「今後ますます、再編は加速し、銀行の淘汰はさらに拍車がかかる。変革のない銀行は潰れる」と語る福岡の地場中小企業で働く地銀OBは、以下のように提言する。
「今後銀行が生き残っていくには、顧客のソリューションを的確に実践できる“バンカー”を育成しなければならない。受け身の事業展開から脱却すべきだ。金融の専門知識はもちろん、金融以外の社会も学び、さらには外国の実情を学ぶために海外へ出て学ぶ機会を設けるなど、人材育成の仕組みを再構築すべきである。『以前から、研修や海外派遣制度などがある』という反論があるかもしれないが、残念ながら、ほとんどの銀行の実務に反映されていない。銀行は幅広い業界の顧客を持つ。“バンカー”は、各業界のエキスパートになって、顧客の業績を改善するための課題解決に入り込む。その市場を構築するくらいの意気込みで、顧客のパートナーとなり、貢献することを実践しなければならない。担保主義や手数料の算段だけの行員は、もう必要ない。これからは、各業界のエキスパートや個人のニーズに対応できる人材の育成が急務である」。
AI(人工知能)によって約90%以上の銀行業務が実現可能と言われている。近い将来、銀行という存在がなくなるかもしれない。
【河原 清明】
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