2024年12月23日( 月 )

シリーズ・金融機関淘汰の時代がやって来た(8)~三井住友B/K体質変わらぬ=元副支店長詐欺事件

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脈々と連なる金と女のスキャンダル

office_img-min シリーズ(7)で指摘したように『住友銀行秘史』作者・元取締役の國重惇史氏は離婚、女性問題解決のために金に困っていた。そのために執筆したという説が流れている。どうであれこの本の価値は落ちるものではない。だが、今となっては「10年、15年前に出版しておれば良かったのに」と惜しまれる。当時、出版していれば50万部のベストセラーになっていたのは間違いないだろう。今回は10万部には届く。一冊の印税は180円であるから國重氏の懐には1,800万円が入る。平時であれば貴重な所得になるのだが、現在、同氏は女性別離資金捻出に頭を痛めていると言われている。必要額からみれば焼け石に水としか言いようがない。
 正義の使者として國重氏が発刊した本の中に女性に現(うつつ)を抜かす銀行幹部が多く、登場している。そして同氏も同じ穴の狢(むじな)に転落した。“どうしてか?”という素朴な質問に銀行OBが打ち明けた。平成バブル、またそれ以前から融資を受けた側からのお礼は半端でなかった。夜の接待を受けて女性を宛がわれるのは常識のパターンであったとか。そこから女狂いに走り、第二、第三婦人を抱えるのは当然と思い込むようになったそうだ。賄う資金は半端でない。資金調達するために悪業の作為にすることは時間の問題であった。

7.7億円の詐欺容疑・南橋浩とは何者?

 三井住友銀行の外貨取引システムを悪用した巨額詐欺事件で逮捕された南橋浩容疑者(54歳)は同行大森支店副支店長まで上り詰めた人物だ。高卒としては出世頭になっているのであるが、どうしてこんな阿漕なことをやったのであろうか?「警視庁としては約7億7,000万円をだまし取ったとして逮捕したのであるが、最終的には約9億6,000万円の横領を立件する予定のようだ」と新聞紙上で報道されている。よくもまー銀行側は見抜けずにここまで放置していたものだ。
 南橋容疑者は鹿児島県出身で高卒、1980年に旧平和相互銀行に入行した。おそらく家族たちは地元では「浩さんは凄いとことに就職できたね」と絶賛されて有頂天になったことだろう。容疑者の不幸は6年後、1986年に当時の住友銀行に吸収されたことである。住友銀行としては長年の悲願であった東京都市圏への一挙拡大の夢を実現できるのが平和相互銀行の合併劇であったのだ。容疑者にとっての不幸とは平和相互銀行では高卒も多く学歴侮蔑も薄かったのだが、住友銀行では高卒は軽少の存在であった。特技の専門スキルを極めないと存在を誇示できなかったのである。
 そこで容疑者は行内で「事務のスペシャリスト」と評価されるまで努力した。だが吸収した住友銀行の不条理が目に付きだした。『住友銀行秘史』に暴露されている不倫の風土にとまどい、怒りそして「俺もやってみたい、やろう」と確信犯に変貌していったようである。「事務のスペシャリスト」のスキルを悪用して不純な女性関係、遊行、ギャンブル資金を捻出していた。家族ともこの10年間、別居状態であったとか。この南橋容疑者の所業からうかがうに、『住友銀行秘史』で暴露された体質は、現在の三井住友銀行にも残っているのではないかという懸念を抱く。

 
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