あらゆるニーズに応えるため『全』てを『備』える、岡山の(株)全備(後)
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グローバルカンパニーへの躍進
――変化が求められる中、御社は国内だけにとどまらず、海外にも拠点を置かれています。
竹原 きっかけになったのは、ある方に言われた「海外に出てこい! 今出てくれば『10の努力が100になる』」という言葉でした。私は、座右の銘として「我、事において後悔せず」という言葉を掲げています。やらずにする後悔だけは絶対にしたくないんです。海外進出は、この言葉を実行に移した結果です。
――現在、海外拠点はマレーシアとインドネシアの2カ所ですが、今後の展開は。
竹原 活気あるアジア諸国、とりわけ、タイが魅力的だと感じています。ただ、どの国でも重要なのは関係構築です。例えば、大手A社の海外商品の仕入れ・販売網を開拓・強化するために、下請け業者のB社が現地へ行きます。この場合、下請け業者のB社はA社のネームバリューで仕事ができると考えてしまう傾向があるように感じます。しかし、そう上手く物事は進みません。仕事に対する考え方など、お国柄があります。条件通りに人材や物が揃うことは稀です。課題を解決するには、現地で1つひとつ実績を上げ、信用をゼロから築き上げる努力が必要不可欠です。弊社の場合はツテがありませんでしたので、それを自然とやっていました。その苦労が今、やっと実を結びつつあります。
――よく、海外市場に活路を見出せといいますが、現実には高いハードルがあるわけですね。
竹原 そうです。だからこそ、今弊社には新しい役割が求められています。それは日本企業と現地との架け橋になることです。海外の現地情報や商品を仕入れたい日本企業に代わり、現地に拠点を置く弊社が確実に情報と商品を仕入れ、日本のお客様にお届けする。幸いなことに、前職が運輸関係だった社員がおり、飛行機便での効率的な配送も弊社では可能です。また、インドネシアの事例を挙げますと、ご存知ない方も多いと思いますが、やたらとビザが必要なんです。例を挙げますと、施設内でPCを操作するためのビザなど、都合も10段階ビザがあるんです。現地で業務を開始するだけでも相当な手間です。くわえて、現在インドネシアで起業する場合、3分の2はインドネシア資本を入れなければなりません。弊社は運良くこの外資規制にともなう大統領令に、大統領がサインする前日に申請が通りましたので、インドネシアでは唯一の100%独資の商社として活動できています。こうした幸運というべき助けもあり、多くの日本企業にとっての現地窓口として、貢献させてもらっています。そして、海外での事業展開を契機に、語学力を仕事に活かしたい人材が集まってくるようになりました。なかには東京から岡山に来る人もいます。求人面での思わぬ効果も、うれしい限りです。
――前向きにトライし続けた結果が、今の全備に繋がっているのですね。本日は貴重なお話、ありがとうございました。
(了)
【代 源太朗】<COMPANY INFORMATION>
代 表:竹原 利彦
所在地:岡山県岡山市北区新屋敷町1-10-28
設 立:1961年12月
資本金:1,600万円
売上高:(16/1)76億1,412万円
URL:http://www.zenbi.co.jp/<プロフィール>
竹原 利彦(たけはら としひこ)
1953年10月10日生まれ。同社にくわえ、(株)九州洋行、オカノ金属(株)、マレーシア全備の代表取締役を兼任する。趣味は映画鑑賞に人と知り合うこと。自身の性格を、好奇心旺盛で行動しながら考えるタイプと話す。関連記事
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