2024年11月28日( 木 )

異議申し立て棄却 筑女新体制へ

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 今年6月に勃発した、理事長と教職員が学園運営をめぐる対立。ようやくその問題に一つの終止符が打たれたようだ。

笠・長谷川派の異議申し立て棄却!

学校法人事務局がある大学キャンパス<

学校法人事務局がある大学キャンパス

 事の発端は6月10日に行われた理事会。以前より多くの教職員から学園運営を問題視されていた前理事長の笠信曉氏と、それを支持する(株)はせがわ元代表・長谷川裕一氏を始めとする一派(以下、笠・長谷川派)が、反対派の理事を一掃する新理事選任の決議を強行した。(詳細はコチラ

 笠・長谷川派の専横に対抗する同窓会出身の理事2名は、この決議の無効を訴え、福岡地裁に新理事の職務停止などを求める仮処分申し立てを行った。8月31日、福岡地裁は問題の決議を理事総数の過半数に満たないとして無効と判断。新理事6名および長谷川理事長の職務執行を停止する仮処分決定を下した。

 笠・長谷川派は、この決定に異議申し立てを行ったが、裁判所は11月末にその異議申し立てを棄却。
ようやく疑惑だらけの長谷川運営が終わりを告げ、新体制へと動き出すことになった筑紫女学園。しかし、結局は笠・長谷川派と反対派が、理事会で半々を占める状態に戻っただけで、状況は何にも変わっていない。次の理事会がいつ行われるかは現段階で未定だ。笠・長谷川派と反対派ともに、いかに相手側の人間を自分の派閥に引き込むかに必死。これから笠・長谷川派と反対派の全理事14名の間で熾烈な多数派工作が始まることになるだろう。

理事長不在のまま創立110周年か?

 現在、筑紫女学園のホームページには「情報化社会と呼ばれて久しい現代、多くの情報が氾濫するあまり、本来の姿とは異なったイメージを伴って伝わることも珍しくありません」という文言がある。しかし、その文末には理事長という役職のみが示されているばかりで署名はなされていない。誰が発信しているかも分からない状態で「本来の姿」を見極めることは出来るのか。
 再び、振り出しに戻った筑紫女学園の学園運営。一卒業生としては「誇れる母校」であってほしいと願うばかりだ。

【松ヶ迫 美貴】

 

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