5年続いた乗っ取り騒動がようやく決着のアコーディア・ゴルフ(前)
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国内最大級のゴルフ場運営会社、(株)アコーディア・ゴルフは、投資ファンドのMBKパートナーズ(株)に買収され、2017年春にも上場廃止になる見通しだ。
2011年から始まった乗っ取り騒動は、5年の歳月を経てようやく決着を迎える。委任状争奪戦、敵対的TOB(株式公開買い付け)、乗っ取りを防ぐための焦土作戦、漁夫の利狙いの買い占め。M&A(合併・買収)の手口が乱舞した大活劇だった。新社長就任後、MBKへスピード売却
MBKは来年1月18日までアコーディア株のTOB(株式公開買い付け)を実施して、完全子会社にする。買い取り価格は1株当たり1,210円。アコーディアの借り入れ(636億円)を含めた買収総額は1,489億円。アコーディアは11月29日、TOBに賛同すると発表した。
事態が動いたのは5月23日。アコーディアは、6月の株主総会で社外取締役の田代祐子氏が社長に就任すると発表した。米トレド大卒。27年間、米国に在住。米大手会計事務所、KPMGでパートナー(共同経営者)の地位に上り詰めた後に、外資系企業の日本法人で要職を歴任。12年からアコーディア・ゴルフの社外取締役を務めていた。日本マクドナルドホールディングス(株)の社外監査役でもある。
田代氏は、その日のうちに、MBKの加笠研一郎・日本代表に会ったという。MBKは、米国の投資ファンドであるカーライルグループの出身者が創設した投資ファンド。日本ではライブドアの子会社だった会計ソフトの弥生(株)、真珠の(株)TASAKI、テーマパークUSJを運営する(株)ユー・エス・ジェイ、珈琲チェーンの(株)コメダホールディングスなど5社に投資実績がある。それから半年後、アコーディアのMBKへの売却が決まった。
旧村上ファンドはTOBに応じて撤退
M&Aの最大のポイントは、アコーディアのプレス発表の次の箇所。
〈公開買付者(=MBK)によれば、大株主グループが、本応募契約に基づき応募時点で所有する当社普通株式の全て(本応募契約日時点において、株式会社レノ:7,000,000株(所有割合9.93%)、野村絢氏:6,955,900株(所有割合9.87%)および株式会社オフィスサポート:2,100,000株(所有割合2.98%)について本公開買付けに応募することに合意しているとのことです。〉
いずれも旧村上ファンドのメンバー。野村絢氏は村上世彰氏の長女、レノは村上ファンドで企画課長だった三浦恵美氏が代表、オフィスサポートは村上氏の個人会社だ。TOB価格は1株1,210円。旧村上ファンド勢は194億2,763万円のキャッシュを手にする。
改めて、アコーディアの乗っ取り騒動を振り返ってみよう。アコーディアは2003年、米投資銀行のゴールドマン・サックスが、経営破綻したゴルフ場最大手、日東興業(株)などが保有していたコースの運営会社として立ち上げた。06年11月、東証一部に上場。ゴールドマンは11年1月、保有するアコーディア株をすべて放出した。
ここから、アコーディアとライバルであるPGMホールディングス(株)との壮絶バトルの火蓋が切って落とされた。
(つづく)
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