エネルギー地産地消を目指す
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エネルギーを通じた理想の世の中づくり
福岡県八女市に本社を構える(株)アズマの中島一嘉社長の夢は壮大だ。1978年、ソーラーのアズマとして創業して以来、屋根上のスペシャリストとして業績を積み上げてきた。太陽熱温水器の設置工事などを手がけていた同社は99年、太陽光発電設備の施工・販売に乗り出した。建築板金業として磨いてきた技術、太陽熱温水器で培ったノウハウを用いて、地域に密着した太陽光熱のスペシャリストとして活躍してきた。
2012年には電力の固定価格買取制度が導入され、一気に太陽光発電設備需要が高まった。そこで中島社長は考えた。
「電力の自給自足ができれば、地域に循環するお金が増えて地方創生にも役立つ。八女市の商店や企業も潤うのではないか」。
このアイデアを実現するために、アズマとその関連企業は企業グループ「アズマックス」を結成。エネルギーの自給自足を通じた八女市の活性化を具現化するために動き出した。
屋根上に注がれる太陽光エネルギーを集め、八女市全体のエネルギーの自給自足を実現する。そのために同社は新電力(小売電気事業者)に登録。エネルギーをつくるだけでなく、その販売まで手がけることにした。
「これまで電力会社に支払っていたお金が地域で循環する仕組みをつくりたいのです。それが新ビジネスの創出や既存ビジネスの発展につながり、めぐりめぐって八女市全体が潤うようになると考えています」。オール八女で実現を誓う
中島社長は、同社の考えに賛同する八女市内の企業の共同出資により2017年1月、電力小売企業を立ち上げようとしている。志を同じくする市内の企業約50社に協力してほしいと考えている。
「将来につながる自然エネルギーを活用した財産を残すこと。将来の負担を考えると、再生可能エネルギーへのシフトは重要です。加えて、エネルギーの自給自足は地域の強靭化にも役立つと考えています。これには蓄電池の普及も必要となるのですが、小さなグリッド(地域)で電力の需給がコントロールできれば、万が一の災害の際にも、最低限の生活を送ることができます。富の循環だけでなく、地域の問題の解決にもつながる第一歩だと考えています」。再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入、電力小売り自由化をきっかけに地方創生を実現する。仲間さえ集まれば必ずエネルギーの地産地消は実現できる、そして仲間を増やしていくためには電力の事業で儲けてはいけない、と中島社長は言う。
「市外から来た大手が八女市に電力会社をつくって利益だけを持っていくというのは、地域にとって良いことではありません。また、電力を収益事業だけにはしないこと、この点には注意しています。私たちは八女市が潤い、地域の問題解決がなされることを最重要視しています。収益を望むのは地域に循環する富が増加してからと考えています。これから八女市内で賛同企業を増やしていきます。オール八女で電力自給自足を成し遂げたいと思います」。
理想の世の中を自らの手で。アズマと八女市の挑戦は始まったばかりだ。<COMPANY INFORMATION>
(株)アズマ
所在地:福岡県八女市吉田1645-4
代 表:中島 一嘉
創 業:1978年
設 立:2003年
TEL:0943-24-4001
FAX:0943-24-2421
URL:http://www.e-azuma.jp/関連キーワード
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