天神ビッグバンで行き場を失う?!福ビルのテナント
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天神ビジネスセンタープロジェクトの概要が発表されたことで具体性を帯びてきた天神ビッグバンだが、もっとも注目される建替え案件は「福岡ビル」だろう。福岡ビルは1961年12月に完成。天神のど真ん中に建つ地上10階、地下3階建て、延床面積は1万3,001坪に及ぶ市内でも大型のオフィスビルだ。すでに、同ビルがある天神1丁目南ブロックは現行の800%から1,400%にまで容積率が緩和される都市計画が承認。この容積率緩和により建替えられるビルの床面積は拡大される見込みだが、福岡ビルに限ってみても解体から建替えまでの間、広大なフロアが失われることとなる。
福岡市でオフィス仲介を手がける不動産会社は、「フロアニーズに対応するため、エルガーラビルやNDビルなどに2,000坪程度の空きフロアを確保しているが、全く足りていない状況だ」という。
オフィス仲介大手の三鬼商事によれば、昨年12月時点の天神地区のオフィス空室率は4.40%。8カ月連続で低下したほか、前年同月比でも1.67ポイントの低下とすでに供給不足の様相を呈している。2020年の完成を目指す天神ビジネスセンターを除き、大型オフィスビルの供給計画は見られず、福岡ビルのテナントが行き場を失うことは免れない状況だ。
【永上 隼人】
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