2024年12月24日( 火 )

新しい伊王島で長崎の地方創生に貢献~カトープレジャー加藤社長が新計画発表

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「長崎プレジャーアイランドリゾート計画」

 

今年リニューアルする新施設のイメージ

 日本全国で宿泊施設や飲食店などを運営するカトープレジャーグループ(KPG)は7日、長崎市内で記者会見を開き、長崎市から購入した温泉宿泊施設「長崎温泉やすらぎ伊王島」(長崎市伊王島町)について、早ければ今年11月末にオープンするリニューアル計画「長崎プレジャーアイランドリゾート計画」を発表した。KPGの加藤友康 代表取締役 兼 CEOは、地域の雇用を念頭におき、「民間にしかできない新しい経営手法を発揮し、長崎の地方創生に貢献したい」との決意を語った。

 「やすらぎ伊王島」は、1987年のリゾート法制定を受けて、89年7月に長崎県や旧伊王島町が出資した第三セクターによって造られたリゾート施設「ルネサンス長崎・伊王島」が前身となる。総工費100億円をかけた同施設はバブル崩壊で経営不振に陥り、2002年に閉鎖。翌03年、旧伊王島町が施設を買い取り、KPGの関連会社に運営を委託し、同年7月に「やすらぎ伊王島」として開業した。その後、伊王島町は、05年1月に長崎市に編入され、施設は、同市の所有となった。

 いわゆる「平成の大合併」により広域化した長崎市では、予算の問題もあって、リゾート設備の補修がすんなりと認められなくなっていた。しかし、建築から30年近く、潮風を受け続けた建物の痛みは早く、存続のための大規模改修は避けられない。さらに、長崎市は、市庁舎移転やMICE施設の建設を控えており、数年前から民間譲渡を打診していたようだ。今年4月1日、KPG側は十分に検討したうえで決意を固め、グループ企業の(株)KPG HOTEL&RESORTが4億3,600万円で「やすらぎ伊王島」の土地・建物を取得。民営化後の再出発に、施設開業以来最大となる約30億円を投資するという。

ペット同伴で泊まれるコンテナ型宿泊施設

コンテナタイプの宿泊施設のイメージ

 今回、加藤社長がプレゼンした「長崎プレジャーアイランドリゾート計画」とは、施設の改修および新設・増設を進め、集客性の増大、宿泊機能の強化を図るというもの。宿泊施設では、ペット同伴で宿泊できるコンテナタイプの新しい宿泊施設(画像参照)を70~80棟設置する計画を明らかにしており、宿泊可能客数を現行の600名から1,100名に増やす。同施設が完成する11月末から12月初旬に合わせて、施設の新名称が発表される予定。目標として、2018年に現在のほぼ倍となる年間集客数約30万人の達成と、2021年にほぼ現地採用の雇用者数を261名(60名増)にすることを掲げた。

 加藤社長はこのほか、幅広い層の集客を図るため、それぞれの年代に対応した各種アクティビティを用意する考え。内容については、現在交渉中のため、具体的な名前や内容を明らかにしなかったが、「(伊王島に)大きなものを持ってきたい」と期待をにじませる。観光振興や地域活性化については、「点ではなく面でやるほうがプラスになる」と語る加藤社長。インバウンドも対象に、「地の力」とする長崎の魅力を広く発信していく考えだ。

【山下 康太】

画像提供:カトープレジャーグループ


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