海外で生き残りを賭ける製薬業界(中)
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収益について
【別表3】は営業利益の順位表である。
営業利益が増益となった製薬会社は6社で、減益は4社となっている。そのうち大きく増益となったのは大日本住友製薬で、前期比42.9%増の528億円。前年の最下位から脱出している。
アステラス製薬の売上高は武田薬品に次ぐ第2位だったが、営業利益はトップの2,608億円。武田薬品は1,559億円で、その差は1,049億円。
アステラス製薬は18年3月期の営業利益は2,540億円(前期比▲68億円)を予想している。一方、武田薬品は1,800億円(前期比241億円増)。その差は740億円に縮まったものの、追いつくにはまだ当分時間がかかりそうだ。第3位は塩野義製薬で1,082億円(前期比168億円増)。第4位は大きく減益となり、順位を下げた大塚HDで1,011億円(前期比▲477億円)。ここまでの4社が1,000億円を超える営業利益を計上している。
第5位は田辺三菱製薬で941億円(前期比123億円増)。第6位はパテントクリフ(特許切れ)を迎え、大きく減収となった第一三共で889億円(前期比▲415億円)。17年3月期は1,000億円(前期比111億円増)を予想しているが、はたしてどうなのだろうか。
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次に【別表4】は、当期純利益の順位表である。
当期純利益が増加した製薬会社は5社で、減益は5社となっている。そのうち増益率トップは武田薬品で前期比43.4%増だった。
第1位のアステラス製薬は2,107億円(前期比250億円増)。第2位の武田薬品は1,149億円(前期比348億円増)で、その差は950億円。次期予想(18年3月期)は、アステラス製薬の1,980億円に対し、武田薬品は1,380億円。差は600億円に縮まるものの、逆転はなさそうだ。
第3位は大塚HDで926億円(前期比▲94億円)。第4位は塩野義製薬の839億円(前期比172億円増)で、営業利益の順位と入れ替わっている。第5位は田辺三菱製薬で713億円(前期比120億円増)。
第6位は中外製薬で536億円(前期比▲75億円)。第7位の第一三共は535億円(前期比▲288億円)。その差はわずか1億円だが、営業利益の順位と入れ替わっている。第8位のエーザイ、9位の大日本住友製薬、10位の協和発酵キリンは営業利益と同順位で、変動はない。17年度の当期純利益をマイナス予想しているのは、アステラス製薬で前期比▲207億円の1,980億円。大塚HDは前期比▲76億円の850億円。この2社だけが減益予想となっている。
中外製薬については、決算短信(17年12月期)に当期純利益(予想)の記載がないため、財務担当に問い合わせたところ、「非開示」という回答を受けた。
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(つづく)
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