九州地銀(18行)の決算(17/3月期)を検証する(2)
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九州の地銀グループ(FH・FG)の当期純利益の順位表(【表1】)を見ていただきたい。
この表から見えるもの
◆第1位の西日本フィナンシャルホールディングス(以下FH)は2016年10月3日、西日本シティ銀行と長崎銀行を傘下に持つ金融持ち株会社として設立された。第2位の九州フィナンシャルグループ(以下FG)は2015年10月1日に発足した、肥後銀行と鹿児島銀行を傘下に持つ金融持ち株会社。
また第3位のふくおかFGは2007年4月2日、福岡銀行・熊本銀行・親和銀行を傘下に持つ金融持ち株会社として設立された。FGやFH誕生の歴史を見ると、西日本FHと九州FGは比較的新しく、ふくおかFGは今年春に10年の節目を迎えている。
◆第3位となったふくおかFGは、2017年3月期の当期純利益を400億円の黒字予想としていたが、今年3月、当期純利益を▲543億円とすると発表。
その要因となったのは、熊本銀行と親和銀行の経営統合にともなって発生した負の「のれん代」、残り948億円を一括償却することにしたからだ。今まで毎年約90億円ずつ定時償却していたが、このままでは28年まで償却が続くことや、日銀が昨年1月にマイナス金利政策導入し、金融環境が大きく変化していることを見据え、将来の変化に対応する余力を確保するために、赤字決算に踏み切ったと説明している。
◆一方九州FGは、第2位の146億円(前期比▲938億円)となった。昨年は肥後銀行と鹿児島銀行の経営統合にともなう「のれん代」の発生益884億円があり、1,084億円の当期純利益を計上。
しかし17年3月期の当期純利益は、日銀のマイナス金利政策や熊本地震の影響を受けて146億円(前期比▲938億円)と大きく減益となった。のれん代の特殊要因を差し引きすると、昨年は200億円の黒字だったが、今年は146億円で実質54億円の減益だった。
これによって、ふくおかFG、九州FGともに仕切り直したといってもよく、2018年3月期の決算こそが正念場となりそうだ。
(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】※クリックで拡大
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