7月10日、データ・マックス取材班は被害の大きかった朝倉市に入った。
水がひいた道路脇には、集められた土砂が塊となって点在している。乾燥した土砂が細かい埃になって風に舞い、目がチクチクと痛む。下水が溢れたためか、悪臭が鼻をつく。衛生面での対策も必要になっていることがわかる。災害派遣で入った自衛隊の車両が頻繁に行きかい、非常事態が続いていることを改めて思い知らされた。
商品が水に浸かるなどの被害があった藤井養蜂場では、敷地内にたまった土砂の除去作業が進んでいた。ボランティアの高校生と一緒に大量の流木を処理していた、同社の藤井敬三常務(70)は、7月5日から降り出した雨の恐怖を語る。
「雨の様子を言葉で表現するのは難しい。これまでに経験したことのない、恐怖を感じるような降り方だった。危険だと判断したため、5日は従業員約50人を社内に宿泊させた。正確な数字はまだ出ていないが、水に浸かった商品や工場機器への被害を合算すると、おそらく7,000~8,000万円程度の被害になるのではないか」(藤井常務)
水害からの復旧は、まだ端緒に就いたばかりだ。
【データ・マックス取材班】
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