忘れられた「二日市保養所」の真実 下川正晴著『忘却の引揚げ史』7月下旬刊行
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第二次世界大戦終戦後。大陸からの引揚げ者は、さまざまな苦難を経て故国の土を踏んだ。博多港と佐世保港には、それぞれ100万を超える引揚げ者が上陸したのである。そのなかには、ソ連軍などによる性暴行被害を受けた女性たちの姿が数多くあった。避難民の医療援助を行っていた在外同胞援護会救療部は、あまりにも多くの女性が性暴行による妊娠や性病罹患などの性的被害を受けていることを知り、1946年、二日市町(現・筑紫野市)に「二日市保養所」を開設して女性たちの治療にあたった。
本書では、「忘れられた戦災被害者」である性的被害を受けた引揚げ者と、彼女たちを救った人々を取り上げるとともにその中心人物である泉靖一氏を「災害人類学」の先駆者として再評価を行っている。
著者は、NetIB-Newsや経営情報誌I・Bで「コリアントレンド」を連載する下川正晴氏。氏がライフワークとして取り組んできた二日市保養所問題が結実した。執筆に至る経緯や下川氏の思いは、下記の記事で読むことができる。
◆封印された引揚女性の慟哭 「二日市保養所」70年目の記録(下川正晴)>>
【深水 央】
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