喫煙率が過去最低の18.2%に 喫煙者と非喫煙者の本音
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減り続ける喫煙者数
日々高まる禁煙への機運に、喫煙者への風当たりは強まるばかりだ。
7月27日に日本たばこ産業(株)(本社:東京都港区、小泉光臣社長)が発表した「全国たばこ喫煙者率調査」によると、男女合計で喫煙率は18.2%(前年比▲1.1%)と過去最低を記録、喫煙人口(推定値)も1,917万人(前年比▲110万人)と減少している。
JTは喫煙者率は減少傾向にあるという見解と共に、その要因として「高齢化の進展、喫煙と健康に関する意識の高まり、喫煙をめぐる規制の強化や、増税・定価改定等によるものと考えている」と述べた。現在喫煙者は、健康ブームや受動喫煙に対する健康リスクなどの周知によって起こった「禁煙への機運」を受け、肩身は狭くなる一方だ。しかし、実際に「喫煙」という行為によって、非喫煙者が害悪を被る可能性が存在する以上、喫煙行為を肯定することは難しい。
では実際のところ、喫煙者と非喫煙者は「喫煙」についてどう考えているのだろうか?
たばこは息抜きやストレス発散の手段
「1日に数本、息抜きしたいときに吸って、気持ちを落ち着かせている。もちろん、においに対するエチケットは徹底している。辞めたい気持ちはあるけど、辞められないから吸い続けている。友達にたばこ吸ってるって言うと驚く子もいるから、ちょっと言いづらいかな」とAさん(20代女性)は話す。
また、「人に苦手なものを押し付けたくない。たばこが苦手な人の前で吸わないほうが、自分にも相手にもいいのかなって思う」と締めくくった。喫煙歴10年になるBさん(30代男性)は、「たばこが自分にとって良いストレス発散になっている。辞めたい理由もないし、今後も吸い続けるかな」と話す。喫煙者に対する風当たりについては、「仕方ない」の一言。
「周りに禁煙に成功した人が何人もいるけど、非喫煙者よりそういう人たちの人の方がうるさい。1日1箱吸っていた元ヘビースモーカーに、「くさ!近くに寄るな!」と言われたときは、理不尽すぎて唖然とした」と話すと溜息をついた。喫煙者の不注意でやけどを負った人も
「たばこのにおいが無理です。申し訳ないけど、無理です」。
Cさん(20代女性)は嫌煙家ではないと前置きをしたうえで話し出した。
「元々体質的にたばこがダメなんです。あのにおいで頭が痛くなってしまって…。ヘビースモーカーの人とは、普通に会話してるだけでつらいなと感じるときがあります」。
「におい対策をされている場合は?」と尋ねると、「なら大丈夫です!」と途端に表情が明るくなった。Dさん(10代女性)は開口一番「無理です!」の一言。「臭いし、むせるし、たばこの吸い殻って道に落ちてるじゃないですか?いい大人なのに、ごみも捨てられないの?って腹立ちます。たばこ大嫌いです!」と終始語尾を強めた口調で否定的な態度だった。
たばこ嫌いのきっかけを尋ねると、「小学生のとき、映画館のグッズ売り場で手の甲にやけどを負ったんです。熱い!って隣を見たら、おじさんがたばこを持ってて。今もその跡が残ってるんです」と、手の甲に残るやけど跡を見せてくれた。
減らないポイ捨て 喫煙者のマナー
弊社では朝の始業会議のあと、持ち回りで会社回りの外掃除を行っている。そこで必ず落ちているゴミがある。たばこの吸い殻だ。一度の掃除で10本以上拾うのは当たり前、原型をとどめていない吸い殻は道路を広く汚しており、見ているだけで不快感を覚える。
マナーの良い喫煙者がいる一方で、目に余るほどマナーの悪い喫煙者も存在する。非喫煙者のなかには、「身内に喫煙者がいるから」などの理由で、喫煙自体に抵抗がない人もいるが、たばこのポイ捨て問題に対しては皆一様に眉をひそめる。
たばこの吸い殻、歩きたばこ。今までマナーの悪い喫煙者に対して積み重ねてきた「不満」が、昨今の「禁煙ブーム」に拍車をかけ、喫煙そのものに過剰に攻撃的な姿勢をみせる人が増加した要因なのかもしれない。マナーが悪い証拠は残っても、マナーが良い証拠は残らない。喫煙者と非喫煙者の溝は深い。
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