『脊振の自然に魅せられて』福岡市で唯一の渓谷「野河内渓谷」を甦らせよう(7)
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放置竹林から「カワセミの森」へ再生(2)
福岡市で唯一の渓谷、野河内渓谷の素晴らしさを知ってもらおうと自然観察会を開催してきました。
2012年11月より「野河内渓谷はみんなの宝」とする曲渕自治会が主催、早良区役所が共催で第1回を開催。それは地元の曲渕地区の方々の熱意が伝わるものでした。渓谷入り口に参加者約40名が集合し、森林インストラクターから草木の説明を受けながら、遊歩道を歩いて自然の素晴らしさを味わってもらいました。その後、野河内渓谷の環境整備を引き継いだ脊振の自然を愛する会の主催で毎年開催し、昨年、16年(平成28年)で第7回になります。野河内渓谷の遊歩道沿いには自然林が残されており、遊歩道の散策と樹木や植物の観察を森林インストラクターや、自然観察指導員で実施しました。
日本野鳥の会、気象予報士、調香師などの講義を交えて、人と自然との触れ合いをテーマに、早良区役所と共催で自然観察会を実施、「市政だより」や「新聞紙面」、「フェイスブック」で参加者を募集しました。参加者は子供達から大人まで大勢でした。
また、私自身も RKBのテレビ番組、今日感テレビで「夏の特集番組:野河内渓谷」のライブ中継をガイドとして出演しました。15分ほどの番組でした。
色々なイベントを実施
●竹チップ作り実演
竹チップは有機肥料として、有効利用している企業やボランティア団体もあります。地元の T氏が所有している竹チップ粉砕機で、伐採後の竹を粉砕して竹チップ作りを実演。●昆虫作り、手品を披露
西区丸ごと博物館会員U氏による植物の葉を使った、昆虫作りや手品など手先の器用さを披露。子供たちに、お土産としてカマキリやバッタなどプレゼントしてくれました。●森林インストラクター指導による、樹木の名札かけ
事前に用意した樹木の名札を、木に優しいシュロ縄で付けて、樹木の名前を覚えました。樹木は針葉樹や広葉樹を含めて20種、ヤブツバキ、ミズキ、アオキ、イロハモミジ、リョウブなど一般的なものから、コシアブラやオオアリドウシ(低い樹木ですが、トゲが蟻をもさす程するどい)なども。草本(草)として、22種が確認されています。
子供達が喜ぶのは、葉書の言葉の由来とも言えるタラヨウ(モチノキ科)です。長さ20センチ、幅5センチほどの葉の裏に文字が書けます。葉の表は緑ですが、裏は幾分白くなっており、エンピツや細い木の枝などで軽く文字が書けます。
「切手を貼ってポストに投函できますよ、ただし、定期外です」と説明すると、子供も大人も喜んでくれました。●カワセミ森の植樹祭
孟宗竹伐採の後地を緑豊かな森に復元することを目指して、植樹祭を4度行い自然観察会イベントとして参加者を募集、大人から子供たちまでにぎやかに植樹を行いました。
苗木として、ヤマザクラ、アジサイ、ハイノキ、ヤマボウシ、ヤマモミジ、マンサク、実りのある笹栗も最後に植樹。そして植樹者のサイン、樹木の名前を記した杭も立てました。中には恋人同士の名前を書きLOVEマークを入れた人も有り記念の植樹となりました。
植樹はとりあえず、一段落しましたが、今年(平成29年)晩秋にヤマザクラとツクシシャクナゲを追加植樹する予定です。
これらの費用は、福岡県の「緑の募金」事業予算です、植樹記念の看板も立てております。●日本野鳥の会O氏による講義
曲渕ダムで冬鳥のオシドリがやってくると知り、その年の冬にダム湖に行き、鮮やかなオレンジ色のオシドリの群に感動しました。●女性の調香師 Mさんの天然お香作り
実演は2度行い、子供達や大人にも共に好評でした。土産として、各自が作った、お香をかわいい千代紙の化粧箱に納めてプレゼントされました。やさしい香りに体が癒されました。私は、今も趣味の弓道の道具の中に入れています。●福岡市食生活改善推進員による昼食会
早良ミナミ塾に参加された元気の良い女性に、自然観察会の参加をお願いし、会長以下、メンバー8名が参加して、安価で美味しく、かつ体にやさしい食事を参加者全員がご馳走になりました。●脊振山系の気象講義
RKBのアナウンサーで気象予報士の龍山氏に、脊振山系の気象についての講義は2度実施。プロのアナウンサーの雄弁な講義に全員が耳を傾けました。● 竹とんぼ作り、オカリナ演奏イベント
竹トンボ作りは初めてでしたが、福岡水源林のボランティアのメンバーに竹トンボ作りを指導して貰いました。親子で参加して竹トンボ作りを楽しむ家族や、懐かしく小刀を動かして大人も楽しみました。この後、ボランティアの夫婦によるオカリナ、琴の演奏もあり「ふるさと」など童謡を全員で合唱し、楽しいイベントとなりました。これらのイベントを通して、自然豊かな野河内渓谷を福岡市や近郊の方々に憩いの場として訪れて欲しいと願うばかりです。
今年の夏は、無料駐車場に多くの車を見かけました。「ありがとうございます、また来てね!」私は佐賀からの帰りでしたが、野河内渓谷の無料駐車場を横目に見ながら福岡の自宅へと車を走らせました。
(了)
2017年8月30日
脊振の自然を愛する会 代表 池田友行 記関連キーワード
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