アビスパ福岡、昇格を語る資格はあるのか 福岡0-1愛媛
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今回は試合の経過や結果ではなく、順位表をにらみながら書く記事となる。
32節を消化した時点で、福岡は2位(勝ち点57)。首位の湘南との勝ち点差は10に開いた。3位長崎は勝ち点56、4位名古屋勝ち点53、5位松本と6位横浜FCが勝ち点52、7位徳島と8位大分が勝ち点51(松本と横浜FC、徳島と大分の順位は得失点差で決定)。9位東京ヴェルディ(勝ち点50)までが自動昇格の権利を持つ2位と、昇格プレーオフを戦う3~6位までを争う位置につけているといえる。7月段階では湘南とともに首位を並んで走っていた福岡だが、残念ながら今や2位争いの集団に埋没しつつある。全42節の半分に当たる21節時点では、記者も「前半戦首位ターンで勢いづくアビスパ福岡」という記事を書き、「J2優勝も十分射程距離」と意気軒高であった。漠然とした手詰まり感に飲み込まれる今のアビスパを見ると、この記事の浮かれ具合がうらめしい。
この手詰まりを打破する策が見当たらないのが、今のアビスパの苦しいところだ。以前から指摘されているとおり、FWウェリントンに頼るしかない攻撃。バリエーションのない交代策。「先制されると勝てない」という今季の評判は決してジンクスなどというものではなく、「相手が引き気味の場合は崩す手立てがない」ということだ。「内容は良いが勝てない」という趣旨のコメントが選手から出てはいるものの、サッカーは採点競技でもなければ判定のある競技でもない。仮に内容は最悪だろうが、相手より多く得点しなければ勝てないのだ。ちょうど先日、「美しくない」カウンター戦術を駆使してオーストラリア代表に勝った日本代表のように。
残り10試合は、毎節順位が入れ替わるデッドヒートになるのは間違いない。もちろん全勝……と言いたいところだが、まずはいかに勝ち点の取りこぼしをなくすか。首位湘南と激突する11月5日(日)のレベスタ最終節までには、集団から1歩も2歩も抜け出して、自動昇格圏内を確保しておかなければいけない。
【深水 央】
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