巨大な敷地を生かせる再生請負人は現れるのか～伊都ハイランドパーク（後）

　福岡市都心部からJR筑肥線もしくは都市高速を使って約40分――。糸島市に入ると景色は一変する。眼前に広がる美しい緑と青い海。豊かな自然が生み出す景観は、糸島市の交流人口増加に寄与する貴重な財産だ。観光地としての知名度が高まる糸島市だが、宿泊客数の伸び悩みが課題となっている。「伊都ハイランドパーク」の再生は、この課題解決策となる可能性を秘めている。

巨大な敷地をどう生かすか

伊都ハイランドパーク

　「伊都ハイランドパーク」には現状、戸建住宅、マンション、ホテルが密集している。糸島市の観光入込客数は11年456万人、12年503万人、13年533万人、14年580万人、15年613万人と増加傾向にある。しかし、宿泊客数は観光客数全体の1％程度。ホテルの数が少ないのも一因だ。糸島市浦志にビジネスホテル「ホテルAZ」があるが、旧糸島郡志摩町エリアに同等の規模のホテルはない。「伊都ハイランドパーク」内のホテルを改修し、会員向けにではなく、一般向けに開放するというのも選択肢の1つになるだろう。

　また、森のなかにログハウスが林立している様子は、古き良きホラー映画の舞台を彷彿とさせる。夏の期間限定で、巨大な肝試し場（アトラクションパーク）として利用するのも面白い。資金調達はクラウドファンディングで世界を相手に呼びかけてはどうか。参考となる成功例には、8,000万円以上を集めた別府市の「湯（ゆ）～園地（えんち）」計画がある。

　一部の資産家相手に不動産売買・賃貸をもちかけるだけでは、株式譲渡の話が仮に上手く進んだとしても、同じことの繰り返しになるだけだ。

（了）
【代　源太郎】

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：牛島　中
所在地：福岡県糸島市志摩岐志1513
設　立：2007年10月
資本金：1,000万円
ＴＥＬ：092-328-3636