美肌生活の必須アイテムに成長中のシートマスク(後)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
従来のシートマスクは水分の供給がメインであったが、シートマスク市場にも変化が起きている。水分補給が依然として比率は高いものの、美白、毛穴のケアなどシートマスクに別の機能が要求されているのも事実である。
一方、シートマスクの世界市場の年平均成長率は8.7%で、Sephora Collection、Starskin、Estee Lauderなどの3大企業が世界シートマスク市場の36.5%を占めている。地域としてはアジアが37.9%を占めていて1位で、2位がヨーロッパ、3位は北アメリカ、4位は南アメリカに続いている。
このように市場が成長している背景にはさまざまな要因があるが、所得水準が向上したことにより、化粧品を使う地域が広がっているという事実は大きい。インドネシア、タイなど東南アジアをはじめ、化粧品を使用する人口が増えている。それにもう一つの要因としては、男性もスキンケアに気を使っていて、シートマスクを使う男性が増えていることだ。
それでは、なぜシートマスクはこれだけ人々に受け入れられているだろうか。まず、何と言っても手軽さだろう。皿洗いなどを終えた後、テレビを見ながら、シートマスクをすると、プルプル肌になり、満足感が得られる。しかし、シートマスクといってもピンからキリまであるので、安いシートマスクには本当に良質な成分が含まれているかどうかは疑問だ。また使用頻度も注意する必要があるようだ。使えば使うほど、肌に良いというイメージがあるが週2、3回くらいが適当のようだ。毎日シートマスクをすると、返って肌が荒れる原因になり、逆効果もあるとのことだ。それに、使用時間も大事のようだ。10分前後を目安に適当に使わないと、シートマスクが肌の水分を奪ってしまうことさえあるようだ。
最近では皮膚科の医師とシートマスクを共同開発したり、医薬品の薬物伝達技術を適用したり、各社は開発競争に鎬を削っている。またエッセンスや材質だけでなく、シートマスクのデザイン開発も、商品の売上に影響をおよぼす重要なファクターである。化粧品ショップに行くと、シートマスクの種類があまりにも多くてびっくりするが、それでも簡単にスキンケアできるシートマスクはこれからも重宝されるに違いない。
今後韓国企業はグローバルメーカーの高価な製品と中国企業の低価格の製品の間に挟まれて苦労する可能性がある。戦略が求められる時期である。せっかく中国で築いた市場を維持しながら、今後フロント商品としてシートマスクをどのように活用していくかによって、韓国化粧品業界の未来が変わってくるかもしれない。
安い一枚のシートを巡って、全世界では今日も激しい競争が繰り広げられている。
(了)
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