実質経営者失踪の九菱地所、支払残る取引先から訴えられる
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実質経営者が会社の資金を持ち出し、失踪。取引先への未払いが発生していた九菱地所(所在地:福岡市南区、松下照海代表)が取引先の1社から請負工事代金などをめぐって、福岡地裁に訴えを起こされていることがわかった。
実質経営者とは、自称会長の松下宗正氏。今年6月、取引先への支払い日直前に、会社の金を持ち出したまま突然連絡が取れなくなり、以降関係者が行方を捜したものの、いまだ発見には至っていない。松下宗正氏については、問題発覚後の取材で、過去にも宗正氏が代表を務めていた別の建設会社で支払いトラブルを起こしていたことが判明していた。
今回、九菱地所から複数の下請工事を請け負っていた建設会社1社が請負代金を求めて、福岡地裁に提訴した。一部の工事において、施主は元請である九菱地所に工事代金を支払っていたが、その大部分を松下宗正氏が持ち出したため、下請業者に工事代金が払えなくなっていた。宗正氏は会社の実印、銀行印、ゴム印、預金通帳、業務を管理していたパソコンに至るまで持ち去っていたことがわかっている。
その後、松下宗正氏を除いた関係者の間で何度か協議が行われたが、話は思うように進まなかった。現在、代表取締役を務める松下照海氏は、自身について名前を貸しただけで、一従業員に過ぎなかったと説明しており、工事代金未払いの責任を認めていない。
【東城 洋平】
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