共同通信、姑息な記事差し替え iPS山中教授の記事
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25日夕、論文不正に揺れる京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長に、新たな疑惑があることを示唆する記事が、共同通信から配信された。
タイトルは「山中氏、科学誌創刊に深く関与か」。問題になった論文を掲載したアメリカの学術誌の創刊に、当時国際幹細胞学会の理事を務めた山中伸弥教授が関与していたことを伝える記事だ。
記事では「(山中氏は)現在も編集委員の1人となっている」「山中氏のほかにiPS細胞研究所の研究者も編集委員となっている」など、論文の審査に山中氏が影響力を行使したかのような表現がちりばめられている。※クリックで拡大
この記事に対して、ネット上では激しい非難が集まった。いわく「研究領域のトップである山中氏が学術誌の立ち上げにかかわるのは当たり前」「論文の審査には所属する研究機関の編集委員は関与しないのは大前提」などなど。
ここまでならよくある炎上問題。しかし共同通信は、何を思ったか断り書きや注釈もなく当該記事を差し替えるという挙に出た。
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タイトルからして「山中所長が給与全額寄附」となっており、元の記事とまったく異なる。内容も「不正問題を受けた山中教授は、当面の間研究所に給与を全額寄付する」という話。当初の記事で大きく取り上げていた「科学誌創刊に深く関与」については、記事の末尾に申し訳程度に添えられているだけ。
悪質なのは、この「差し替え記事」が以前の記事と同じURLでサイト上に掲載されていることだ。ネット上でURLを記載するかたちで引用していると、差し替え後の記事しか読めない。差し替え後の記事には、記事の変更についての注記などは一切ないため、元の記事は完全に抹消された格好だ。
共同通信といえば、全国の地方紙に記事を配信する立場。にもかかわらずこのような不誠実な対応をとれば、新聞報道全体への不信感を増幅しかねない。本件について共同通信に取材を試みたが、ここでも共同通信の不誠実な対応が露わになった。
午前9時過ぎに連絡したところ、受付担当は「担当部署は11時に出勤してくる」。やむなく11時に電話をかけると、「その件については対応を協議するので、こちらからかけなおします」と受付担当。それでは、と電話番号を伝え、待つこと3時間。
午後2時、しびれを切らせて連絡したところ、ようやく担当者を名乗る総務局の男性と電話がつながった。しかし質問を始めたこちらを遮って「取材なら、質問状をファックスで送ってください」と一言。朝から待たされ続けたことについて苦言を呈したが、返ってくるのは「はい」「はい」という生返事ばかり。まるで言質を取られるのを恐れているかのようだ。現在、データ・マックスとしては送付した質問状の返答を待っている。
※26日午後5時40分、共同通信から返信を受け取った。詳しくはこちら
【深水 央】
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