2024年08月28日( 水 )

「立憲主義を世に示す!」~川内博史衆議院議員 独占インタビュー(中)

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 「憲法を守る」「安保法制は違憲」「原発再稼働には反対」――。主張は明快である。
 浪人時代の苦労を乗り越え、国政の場に復帰したこの人の顔は「政治家」と呼ぶに相応しいものになっていた。
 昨年の総選挙で立憲民主党から出馬し、保守王国といわれる鹿児島1区を勝ち抜いた川内博史衆議院議員に話を聞いた。

訪問件数8万軒

 ――取材で鹿児島を訪れるたびに街頭活動を行う川内氏を見てきた記者には、簡単に「苦しい浪人生活でしたね」ということができない。小選挙区での勝利につながった活動ぶりは、やはり凄まじいものだった。

川内 博史 衆議院議員

 川内 14年の選挙で落選してからは、選挙区内を1軒1軒くまなく回りました。地元の方に「謙虚に活動しているね」と声をかけていただいたことが励みになるとともに、今でも自分に言い聞かせている言葉です。ポスター貼りのお願いや地元のスーパーマーケットでのビラ配りなども含め、累計で8万軒を回りました。

 民主党(当時)への逆風のなかでしたから、さまざまなご意見やお叱りの声をいただきました。怒鳴りつけられることもありました。ただ、私はふるさと、人が大好きなので私に向けられるすべてのご意見がありがたかったですね。日中は選挙区内を回って、夕方からは鹿児島市内の繁華街や住宅街で辻立ちしていました。街頭活動の回数は記録できないくらい。(桜島の)灰が降っても、雨にうたれても、やり通しました。これからも、同じ。地元の皆さま方とふれ合う時間が、いかに大切なものか、わかっていますから。

 ――苦節5年での復活は、立憲民主党の公認候補として。選挙戦で川内氏は、これまでになかった感触を得ていたという。

 川内 有権者の反応が、明らかに変わりました。街灯もない住宅街で演説させていただく機会も少なくなかったのですが、明らかにお集まりいただいた方々の熱気を暗闇のなかでも感じられるようになりました。はっきりとは姿が見えないのですが、拍手とともに大きな歓声が上がるのです。演説が終わって私に駆け寄り、『(立憲民主党のような)党を待っていた』と涙を流しながら話される方もいらっしゃいました。このような応援をしていただける方々のためにも、“日本国憲法を大事にし、お互いに助け合うことこそが真の民主主義なのだという原理原則を守り抜く政治を何が何でも実現するんだ”、そういう思いで選挙活動していました。

 ――民進党の支持母体は「連合」。野党再編のカギを握る団体であることはいうまでもない。連合との関係について、川内氏はこう語る。

 川内 私自身は良好だと考えています。これまで憲法セミナーを定期的に開催してきましたが、毎回ご参加いただきましたし、選挙の際にも多大なご協力をいただきました。地域や党、組織などでは切り分けることはできませんが、連合内の各組織でそれぞれ応援する党はあるようです。私は先入観にとらわれず、話し合い、共有できる部分は共有し、共通の目標に向かっていくべきだと考えています。

鹿児島県連設立

 ――昨年12月、立憲民主党鹿児島県連が設立された。代表に就任した川内氏が描く戦略とは……。

 川内 党員はまだ私1人ですが、現職の地方議員の方からも入党の希望を数多くいただいています。枝野代表あるいは福山幹事長の考え方は、“無理やり動員するような従来のスタイルでは政治を変えることに限界がある。新しい政党のカタチをつくっていきたい”というものです。これには私も賛同しております。

 今は党のカタチをどうするのかなどを党内で議論しているところですので、入党希望者の方々にも仮登録というかたちをとらせていただいています。そういったことから、今のところ党員は私だけですが、仮登録頂いている方は大勢います。今後は各級議会の議員選挙などに出たい、あるいは出ようという方々には党員になっていただくつもりです。

・日本国憲法の理想を実現しよう!
・平和が大事!
・特定の人に富が集中して格差が拡大するのは政治ではない!
・真の民主主義を確立したい

 こういった希望を持って、立憲民主党の旗を待ってくれた大勢の方々から、「ぜひ一緒にやりたい」という声を多く頂いています。

 3月いっぱいまでには、鹿児島県民の皆さまに党の方針を示し、党員もいるなかで正式にお披露目できると思います。単に党員を増やすようなことはしません。これは県連にかかわらず立憲民主党全体にいえることです。また、踏み絵を踏んだか否かで入党を拒むということもありません。あくまでも党の方針に合致することが大切です。与党を目指す野党議員は、靴底を減らして地道に選挙活動しなければなりません。志を同じくし、地道な活動ができる仲間を地方議会にも増やしていきたいですね。

(つづく)

<プロフィール>
川内 博史(かわうち・ひろし)
1961年11月2日生まれ。鹿児島市出身。80年ラ・サール高校、86年早稲田大学政治経済学部を卒業し、大和銀行に入行。96年の衆議院議員総選挙では、民主党公認で鹿児島1区から出馬。比例九州ブロックで初当選した。2017年の総選挙では、立憲民主党から出馬し6選をはたした。その間、衆議院国土交通委員長、文部科学委員長、沖縄北方特別委員長、科学技術特別委員長、政治倫理審査会長などを歴任。

 
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