高さ約90mの新長崎市役所~利便性向上も景観への影響に懸念
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事業費は約258億円
長崎市が、長崎市公会堂の跡地(長崎市魚の町4番)に建設を予定している長崎市の新市庁舎が、県内有数の高さとなる約90mの建築物になることがわかった。近隣の新大工町地区では、2014年2月に閉店した長崎玉屋を含む区画において、県内トップの高さとなる約97m(26階建て)の商住複合型マンションの建設計画が進められており、立て続けに長崎市中心市街地で目を引く建物が出現することになる。地元住民からは、景観が変わることを懸念する声が上がる。20日、長崎市は、パブリック・コメントを募集するため、長崎市新庁舎の基本設計素案を公表した。同案によると、計画されている新市庁舎は、鉄骨造(一部を除く)の免震構造で、地上19F、地下1Fで高さは約90m、建築面積約4,100m2、延べ面積約4万6,200m2(駐車場を除く)の建物。2022年度の完成を予定しており、総事業費は約258億円(設計・建築費などは約245億円)となっている。
2つの建物にわかれていた旧市庁舎に比べると、市民の利便性は格段に向上する。長崎市は、新市庁舎の設計方針に「市民に親しまれ、つながりの拠点となる庁舎」を掲げ、市民利用の多い窓口などの集約やバリアフリーのデザインを盛り込む。2~4階には、子育てに関連する手続きや相談の窓口および健診機能などを集約した「子育てワンストップ窓口」を始め、税や生活保護など専門的な各種相談窓口を設置。5階は市議会、6~18階に市長室、市職員が働く執務室などが設けられる。19階は展望フロアとなる予定だ。
新市庁舎が便利になることは市民生活にとってこのうえない話だが、観光都市である長崎市特有の懸念が景観への影響だ。「公会堂の近くには、長崎くんちが奉納される諏訪神社や眼鏡橋、神社仏閣も集積し、古いまちなみが残るエリア。そこにひと際目く高い建築物を持ってくれば、雰囲気が台無しになるのではないか」と地場不動産業者は語る。
長崎市は、「風頭山など市内の眺望ポイントからの景観に配慮した高さと形状になる」としているが、実際に建ってみないとわからないし、建ててからでは手遅れになる。交流人口の拡大に力点をおく田上市政の一貫性に期待したい。
【山下 康太】
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