ついに逮捕者が出た。東京地検特捜部は2日、リニア中央新幹線の建設工事をめぐる談合事件で、建設大手「大成建設」の元常務執行役員・大川孝容容疑者(67)と、同「鹿島建設」土木営業本部副本部長・大沢一郎容疑者(60)を独占禁止法違反の容疑で逮捕した。
逮捕容疑は、両容疑者が「大林組」と「清水建設」の担当者と共謀して談合を行ったとするもの。JR東海が発注するリニア中央新幹線工事のターミナル駅新設工事について、受注予定業者の決定などに合意し、公正な競争を制限したとされる。
東京地検特捜部では同談合事件で、大林組元副社長や大川容疑者らが品川駅や名古屋駅などのリニア関連工事で受注調整を主導した疑いで捜査を進めていた。大手4社について立件する方針で、今回逮捕された2容疑者から詳しい事情をきくものとみられる。
リニア中央新幹線は、東京~大阪間(438km)を約1時間で結ぶ総工費約9兆円の巨大プロジェクトで、JR東海などが大手ゼネコン各社のJV(共同事業体)と工事契約を結んでいた。
今回の2容疑者の逮捕について、大成建設本社は「厳粛に受け止める」としたうえで、逮捕された同社顧問が昨年12月8日以降、25回、約3カ月にわたって任意で聴取に応じているにも関わらず逮捕されたことを、「到底承服しかねる」と強く非難している。独占禁止法違反についても容疑を否定しており、今後の捜査の過程で事実を明らかにするとしている。
鹿島建設は、現役の副本部長が逮捕されたことを「誠に遺憾」としながらも、捜査に全面協力するとしている。
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