非常用電源の点検普及団体に消防庁が厳重注意「普及活動の協力依頼はしていない」
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「消防庁より(活動の)協力依頼を受けている」――そう記載のある資料を配布し、活動していたのは、非常用発電機の消防点検啓発活動を行う「(一社)日本発電機負荷試験協会」(設立:2015年5月、本部:東京都中央区、長坂五郎代表)。
同協会は発電機の点検の1つである負荷試験の普及、技術者の養成を掲げ、全国でセミナーを開催しているが、そこで配布されていた資料の内容に疑義が生じていた。問題は添付の2つの資料で、いずれも「消防庁から協力依頼を受けている」という点だ。
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国(消防庁)が特定の民間団体に協力依頼をするとは思えない。早速、消防庁へこの配布資料を送り、事実確認を求めた。その回答が以下だ。
このたび、頂戴いたしましたお問い合わせにつきまして、回答させて
いただきます。ご質問いただいた、(一社)日本発電機負荷試験協会が開催した説明会における
配布資料の「消防庁より消防点検などの啓蒙啓発活動の協力依頼を受けております」
という表記について、当庁ではそのような協力依頼を行っておりません。いただいた情報を基に、今後改めて当庁から(一社)日本発電機負荷試験協会
に対して事実関係を確認した上、厳重注意を行うなどの対応を検討したいと思います。回答からも明らかなように、消防庁から同協会への協力依頼はない。同協会の活動を進めるうえでは、たしかに消防庁のお墨付きがあったほうが信頼されるのは間違いないだろう。しかし、事実ではないことを告げて、営業活動をしてしまっては「不実告知にあたる可能性もある」と、ある弁護士はいう。
全国的に非常用電源の点検義務は厳格化されつつあり、今後点検業務に関する新たなビジネスチャンスが広がると予想される。しかし、そこに1つでも疑念があれば業界全体が疑いの目で見られてしまう。加盟会員の多い同協会なら、なおさらのことだ。同協会に対して、質問状を送ったが、期限までに回答は得られなかった。意図して記載したものではなかったかもしれないが、誤解を招く表現には違いない。早急に改めるべきだろう。
【東城 洋平】
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