2024年11月28日( 木 )

車椅子の物理学者ホーキング博士が遺した気になる未来予測(前)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2018年4月6日付の記事を紹介する。

 ご存知「車椅子の宇宙物理学者」と異名を取ったスティーブン・ホーキング博士が去る3月14日、イギリスのオックスフォードにある自宅で静かに冥界に旅立った。享年76歳。
 21歳の時、全身の運動機能がマヒする進行性の難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と診断されたことを思えば、それから51年も生き続けた驚異の生命力の持主であった。
 母国のイギリス始め、欧州各国の医者を訪ねたが、どこでも「余命2年」との宣告。しかし、現代医学に惑わされることなく自らの生命力を信じ、車椅子生活を余儀なくされながらも、意思疎通にはコンピュータの人口音声を駆使して、「ブラックホール蒸発論」を打ち出すなど独創的な研究に偉大な成果を残し、わかりやすい言葉で科学を身近な存在にしてくれた。

 2018年1月8日、ホーキング博士は76歳の誕生日を迎えたが、そのお祝い会の席上でも400人の客人を前に「宇宙誕生の秘密(ブラックホール研究)の最新成果」を語ってくれていた。そのメッセージは多くの人々に勇気を与えた。曰く「ブラックホールは皆さまがイメージするような暗黒の世界とは大違い。突き抜ければ、新たな宇宙が待っているはずです」。
 これは彼自身を含めて、身体障害や精神疾患に囚われた人々に対して「常識から自由になれば、必ず苦しみを突き抜ける道が見いだせる」という励ましでもあろう。不自由な肉体というハンディがありながら、世界を駆け巡ったホーキング博士。
 圧巻は2006年、中国の万里の長城に登り、中国の歴史や未来について若者たちと熱い議論を交わしたことであろう。以来、英語と中国語で情報交換を行うサイトを立ち上げ、何と4億5,000万人ものフォロワーをゲットしていた。科学を探求するうえで、無神論的な姿勢を貫いた点が、中国でも人気を博したようだ。もちろん、日本でも多数のファンを魅了してきた。

 セントメアリー教会で執り行われた葬儀には親族、同僚、友人に加え、大勢のファンが集まり、沿道は別れを惜しむ人々で埋め尽くされた。76歳に因んで、教会では76回の鐘が鳴らされた。6月にはウェストミンスター寺院に遺骨が納められるという。伝説的な科学者アイザック・ニュートン博士のお墓のすぐ傍である。新たな殿堂が生まれることになりそうだ。世界中からホーキング博士を慕う人々が訪れるに違いない。まさに、「車椅子のヒーロー」である。

※続きは4月6日のメルマガ版「車椅子の物理学者ホーキング博士が遺した気になる未来予測(前編)」で。


著者:浜田和幸
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