車椅子の物理学者ホーキング博士が遺した気になる未来予測(後)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2018年4月13日付の記事を紹介する。
実は、こうした「AIが人間を凌駕する」との危機感はビル・ゲイツ氏や民間の宇宙ロケット開発で有名なイーロン・マスク博士なども共有している。思えば、温暖化も核戦争の脅威も、はたまたキラーロボットの登場もすべて人間が自ら蒔いた種ばかり。こうして蒔かれた種がどのような未来をもたらすのか、常に想像力をたくましくする努力が欠かせない。
長年、世界1の大富豪として君臨し続けるマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏の成功の秘訣も「未来を創造する力」にあるようだ。これまでもほぼ3年おきに未来予測を明らかにしてきている。その凄いところは自らがその未来図を実現する技術を生み出し、未来の受け皿となってきたことである。
たとえば、1999年に彼が何を預言していたか。価格ドットコム、スマートフォン、SNS、ボッツなど々、そのすべてが、予測後10年も経たずに現実のものになっている。過去の予測の的中率は80%を超える。いわゆる占い師と違い、未来予測に基づくニュービジネスを自らが展開しているのが強みでもある。
そんな「21世紀のノストラダムス」とも異名を取るビル・ゲイツ氏が最新の未来予測を明らかにした。ホーキング博士の遺言とかぶる部分が多い。注目すべき預言の第1は「新種の病原菌のまん延」である。ゲイツ氏曰く「これから15年以内に強烈な感染力をもつ新たな感染症が広がる。1918年にヨーロッパを襲ったスペイン風邪の再来といえるだろう。当時と比べ、人々の移動は格段に速く、広くなっているため、全世界で3,300万人が1年で命を失 う」。
そうした予測に基づき、これまでゲイツ氏はポリオの絶滅やAIDS患者の救済に尽力してきたが、今後は新たな病原菌に対処するためのワクチンの開発と備蓄に取り組むという。
第2の預言は「アフリカ大陸が新たな世界経済の成長エンジンになる」。金融機能をはたすスマフォの普及や食料生産技術の向上によってアフリカは貧困から解放される時代を迎えるというわけだ。人口も増加し、大都市が続々と誕生するため、インフラ整備ビジネスが急速に進む。2035年には発展途上国と分類されるような貧しい国は存在しなくなる。その過程で自然再生エネルギーが活用されるようになり、世界どこでも遠隔で高等教育や先進医療が受けられるようになるとの見通しも。ゲイツ氏はすでに20億ドルの私財を投じて、次世代向けの遠隔教育システムを構築し始めている。
第3の預言は「大半の仕事は人工知能(AI)やロボットがこなすようになる」。そこで人間ができる仕事を確保するために、ロボット税を導入する必要が出てくるという。ゲイツ氏は新たなロボット税を活用し、高齢者の介護や幼児教育に潤沢な人手を配置する環境を整えることを狙っている。最近話題のユニバーサルインカムを実現するときに欠かせない財源になるだろう。※続きは4月13日のメルマガ版「車椅子の物理学者ホーキング博士が遺した気になる未来予測(後編)」で。
著者:浜田和幸
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