RIZAP久留米店の工事めぐりRIZAP子会社と下請がトラブル
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印象的なテレビCMや、度重なるM&Aで注目を集めるRIZAPグループ(株)。その子会社である(株)タツミプランニング(以下、タツミ)が元請で施工した「RIZAP久留米店」の内装工事代金が払われないとして、下請工事業者との間でトラブルとなっている。発注者はもちろんRIZAP(株)。RIZAPとタツミはともにRIZAPグループを親会社とする兄弟会社という関係だ。
下請工事を行ったのは、福岡市に本社を置くジップスクリエイト(株)(以下、ジップス)。昨年11月、ジップスの平島社長は知人から紹介を受けてタツミの担当者と面談。その際にタツミは概算の予算を提示していたが、「まずは見積もりしてみましょう」(ジップス)ということになった。久留米市での工事ということで職人の確保に予算がかかることなどから、その後提示された見積額は概算よりもかなり高いものになっていた。その後も何度か見積もりに関するやり取りはあったが、金額が折り合うことはなかった。
ジップスの平島社長は「見積が予算より高いのも承知していた。利益が出る工事ではないとの認識だったため、受注に積極的ではなかった。ただ、1月12日にタツミの担当者が弊社を訪れ、受注を懇願されたところから、前向きに考え始めた」と当時の状況を話す。
12日以降、工事にとりかかったジップスは、事前にできる軽い作業を進めていった。この時点で契約書は交わしていなかったが、ジップスの再三の申し出によって、26日、タツミから工事代金の一部として3,000万円の「事前発注書」が届いた。契約書ではないものの、一定の金額が書かれた書面が届いたことで一安心したジップスは、ここから急ピッチで工事を開始。引渡し前には従業員総出で夜通し作業を行い2月19日に引渡した。当初予定されていたRIZAP久留米店のオープンは1月19日だった。
RIZAP久留米店のオープンが遅れたことに関しては、「1月12日までは受注に至っていなかった。その日の時点でも19日オープンの広告が掲載されたままだったが、『RIZAPではよくある事』と言われて聞き流してしまった」(ジップス)と話す。
これまでタツミがジップスに支払った金額は約2,000万円。最後にジップスがタツミに提示した見積額からも事前発注書に書かれた金額からもかけ離れた額だ。
タツミはRIZAPから納期遅れに関する損害金を請求されていることなどを理由に、これ以上の支払いを控えている状況のようだ。建設業法第19条1項
建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従って、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付しなければならない。このように、建設業法は書面での契約を義務付けている。条文の趣旨は、請負代金や工事内容に関するトラブルを防ぐことであり、下請業者に対する保護の側面もある。違反した場合でも契約が無効になるというわけではないが、許可の取り消しや指導、1年以内の営業停止処分を受ける可能性がある。
RIZAPとタツミは兄弟関係にあり、ただの施主と元請の関係ではない。タツミはデータ・マックスの取材に対し、「弁護士を通じた話し合いになっているため取材は受けられない」という。タツミにも言い分はあるだろうが、引き渡し自体は済ませたにも関わらず、「契約書を交わさない」「支払いをしない」というのは下請いじめともとられかねない。
【永上 隼人】
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