「脊振の自然に魅せられて」 『ヤマザクラ』山桜 バラ科サクラ属の落葉高木
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桜といえばソメイヨシノが一般的です。毎年、3月になると桜の開花予想がテレビや新聞紙面を賑わせています。
桜のなかでも山桜は名前の通り、山のなかでひっそりと咲きます。山桜の大木が1本、2本と山のなかで佇んでいます。木肌が地味なので一見して桜だと気がつきにくいですが、山道を歩いている時、桜の花びらが舞い落ちているのを見て、そこに山桜があることに気がつきます。
空を見上げると青空の中に華やかな彩りを見せ優雅に咲いていて、空がパッと明るくなったように感じます。
山桜の幹の高さは10m〜15mぐらいです。周りを樹木に囲まれているので、少しでも高く聳えて花を咲かせようとして幹が高いのです。ですから山道を歩いている自分の目線では、そこに山桜があるのに気づかないことが多いのです。山桜とソメイヨシノとの違いは、ソメイヨシノは花が咲いた後で葉が出ますが、山桜は柔らかい薄い萌黄色の葉と薄いピンク色の花が同時に開くところです。
ソメイヨシノが一気に散ってしまうのに対し、山桜は開花の時期が長いように思えます。ですから山歩きをすると山桜との出会いを長い間楽しむことができます。
また山容を遠目で見て、華やかに咲いている山桜を見ると春の訪れを知ることになります。また霧の中に佇む山桜も幻想的です。
今年は山歩きの回数が多かったためか、幾度も山桜に出会えました。気品に満ちた山桜を愛おしく感じています。
また、「こんなところに咲いていたの」と思うこともしばしばあります。山桜の木肌を利用した桜細工がありますが、木肌の表面を何度も削り加工して茶筒などがつくられています。自宅にこの茶筒があり、桜細工を改めて知ることになりました。
私の弓にも外竹(とだけ)と内竹の間にヒゴとして山桜を使っているものがあります。木肌がきれいな弓です。(弓道歴30年)
日本人は桜とともに生きてきたのですね。2018年4月24日記
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