5月下旬、ある弁護士事務所から問い合わせがあった。内容は、「松下宗正氏」についてのものだった。松下氏とは、昨年6月の取引先への支払い直前に、実質経営する建設会社「九菱地所(株)」(福岡市南区)の資金をもち出したまま、失踪している人物。同氏をめぐっては、別会社の代表として、過去に複数の支払いトラブルが発覚しており、たびたび報じてきた経緯がある。
今回は、新たに松下氏が関与したとみられる「大蔵建設(株)」(福岡市中央区)での話。前述の弁護士事務所に相談をもちかけたのは、「知らぬ間に大蔵建設の代表に就任させられていた」と訴えるAという人物。
Aのもとにある日突然、身に覚えのない税金納付書が届いた。宛名は「大蔵建設(株) A代表取締役」だった。Aは代表に就任した覚えもなく、まさに「寝耳に水」。
大蔵建設の法人登記を確認してみるとたしかに自身が代表に就任していた。「なぜだ」――過去を振り返って、気づいた。過去に松下氏と協業する人物から不動産を購入したことがあり、その際、印鑑証明と実印を渡したことがあったのだ。おそらく、これが悪用されてしまったのだろう。
松下氏の消息はいまだつかめぬまま。被害者たちの苛立ちはつのるばかりだ。
【東城 洋平】
▼関連リンク
・失踪中の建設会社「自称」会長 明らかになった過去(1)
・九菱地所・松下宗正氏の裁判事件簿(1)~損害賠償で訴えられる
・【続】九菱地所・松下宗正氏のトラブル事件簿~新たに水巻町で発覚
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