2024年07月19日( 金 )

不祥事件相次ぐ第一地銀のきらぼし銀行(後)

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(2)弊行行員の逮捕について
報道されている内容をかいつまんでお知らせしておきたい。
◆千葉県柏市の女性が3月4日から行方不明となっている事件で、女性の夫で死体遺棄容疑で逮捕されたきらぼし銀行行員の弥谷鷹仁容疑者(36歳)が「妻の首を手で絞めて殺した」と供述。死体遺棄を手伝った母親の恵美容疑者(63歳)も逮捕されている。
・千葉県警は21日、茨城県取手市の弥谷容疑者の実家の敷地内で見つかった遺体は、司法解剖の結果、弥谷容疑者の妻・麻衣子さん(30歳)と判明したと発表。麻衣子さんの死因は不明で、腐敗が進んでいるものの、刺し傷などの目立った外傷はなかったという。捜査関係者によると、弥谷容疑者は、麻衣子さんの日ごろの振る舞いについて、「不満がたまっていた」などと供述。また母親の恵美容疑者も「息子を助けたかった。守りたかった」などと供述したという。
◆別表の7月18日付ニュースリリースを見ていただきたい。その文面がすこぶる簡単であること
から、きらぼし銀行の経営企画部に電話で問い合わせたところ下記の回答があった。
【定期預金証書偽造による横領事件】
<問1>きらぼし銀行の発足は2018年5月1日であり、元行員の使い込みは2016年5月から2018年5月にかけての不祥事であるので、合併する前の銀行名を教えてほしい。
<回答1>それは八千代銀行です。
【弊行行員の逮捕について】
<問1>弊行行員の逮捕についてをニュースリリースしている。逮捕容疑は今年3月の不祥事件であり、弥谷容疑者の所属銀行を教えてほしい。
<回答1>きらぼし銀行の行員であることしかお答えできません。
・合併前の容疑であり、どこの銀行であったかを教えてほしい。と何度も繰り返したが回答は「きらぼし銀行」だった。そのため上司と交代するよう要請。
<問2>きらぼし銀行は第一地銀です。そうすると逮捕されたのは第一地銀の行員ということになります。殺人事件で現役の銀行員が逮捕されることはめったにありません。私も第一地銀のOBですが、現役を含めて肩身の狭い思いをこれからすることになります。逮捕容疑は3月であり、きらぼし銀行発足前の不祥事件です。ぜひその銀行名を教えてほしい。
<回答2>逮捕されたのは7月18日です。今もきらぼし銀行の行員であり容疑者です。警察にお任せしていますのでお答えできません。
<問3>報道では妻殺しを認める供述をしています。また殺害された妻の死体は容疑者の実家で見つかっています。きらぼし銀行発足前の事件です。きらぼし銀行は第一地銀になったばかりです。このままきらぼし銀行の行員ですと言い張れば、全国の第一地銀の行員およびOBを敵に回すことになりますよ。ぜひ、教えていただきたい。
<回答3>あくまでもきらぼし銀行の行員であり、それ以上はお話しできません。
との回答を繰り返すばかりだったため電話をきった。
<まとめ>
【表2】、【表3】を見ていただきたい。弥谷容疑者は30歳の時にきらぼし銀行に入行していることから新銀行東京の行員と思われる。八千代銀行や東京都民銀行は新入行員が入行しており、中途採用することはないと見られるからだ。
 新銀行東京は官業の民業圧迫の非難を浴びるなか、「石原銀行」と揶揄され、どこの銀行協会にも入れなかった。しかし今回3行が合併しきらぼし銀行として、第一地銀への仲間入りをはたしたことになる。何か因縁深いものを感じる。
 もし石原慎太郎知事が新銀行東京を設立しなければ、弥谷鷹仁容疑者と西田麻衣子さんの出会いはなかったといえる。弥谷鷹仁容疑者も赤字を垂れ流し始末に負えなかった新銀行東京と同様に、石原都政の犠牲者なのかもしれない。

(了)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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