ゴミ処理問題の深刻性と中国ショック(後)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
プラスチックゴミは何が問題なのだろう。プラスチックゴミの一番大きな問題は分解されないことだ。一度生産されたプラスチックは普通数百年、長いものでは数千年間分解されないので、環境汚染の原因になる。この問題を解決するべく、登場したのがバイオプラスチックだが、残念ながらバイオプラスチックも完全に分解されるわけではないようだ。バイオブラスチックは特定の条件下でだけ完全に分解されるという。
韓国でもプラスチックゴミを少しでも減らすため、分別回収を徹底している。マンション生活者の多い韓国では、OECD加盟国のなかでも2番目に分別回収率が高い。ところが、残念ながら分別回収したものが全部リサイクルできていないことが問題で14%くらいしかリサイクルできていないのが現状のようだ。その原因として、材料またはデザイン的にリサイクルができないものがあったり、原油価格が安くなって、リサイクルコストが採算に合わなかったりする場合があるらしい。中国がヨーロッパや米国のゴミ受け入れをやめたのは、今年1月1日からだ。実は中国は1980年代以来、世界各国から廃棄物を受け入れてきた。しかし、中国でもゴミ受け入れの容量が限界にきて、ゴミによる環境汚染なども発生し、問題になっているようだ。
中国の受け入れ中止以来、ヨーロッパと米国ではいまだに対策をとられていない。韓国と同様、イギリスでもゴミ処理場がゴミで溢れ返っているようだ。またEUでは、プラスチックゴミの約85%を中国に送っていた。これが中止になったのが大きな問題なのである。ゴミ問題の解決法はあるのだろうか。ゴミを焼却してゴミを減らすという方法もあるが、焼却過程で環境ホルモンなど有害物質が発生することがわかり、現在はあまり進んでいない。また、近年ゴミの送り先が多様化する傾向があり、中国に代わり、東南アジアが積極的にゴミを受け入れている。しかし、場所が変わるだけでは根本的な解決策にはならない。
課題解決の方法は大きく分けて2つである。1つはプラスチックの使用を減らすこととリサイクルの強化だ。プラスチックの使用を減らすためには、レジ袋の有料化を始め、ペットボトルにリサイクル費用をかけるなどの方法がある。韓国でもビニールゴミや、発泡スチロールなどのリサイクル方法が活発に議論されているが、リサイクルより、もっと効率の良い方法は使用を減らすことだ。
ゴミによって地球上のどこかの国が大きな犠牲を払っているのが現状だ。環境問題に自覚をもってこれから生活していかないと、いつか大きなつけを払わされるのかもしれない。(了)
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