2024年11月16日( 土 )

企業のクラウド戦略を支援する アプリケーションレイヤーでシェア拡大(前)

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クラウドエース(株) 代表取締役CEO 吉積 礼敏 氏

 ITは、AIやIoTの急速な発達にともない、ビジネスや日常生活に大きな変化をもたらしている。そこにはさまざまな可能性とビジネスチャンスも生まれる。GCP(Google Cloud Platform)プレミアパートナーであるクラウドエース(株)は、「世界中のクラウドを整理して使いやすくする」をミッションに掲げ、クラウド導入企業の支援を全国で展開する注目企業だ。

(聞き手:弊社取締役 緒方 克美)

AIをより簡単に活用できる環境を提供

 ――クラウドエースさんは、GCP(Google Cloud Platform)プレミアパートナーとして、Googleがクラウド上で展開しているサービスをいろいろな企業が使えるようにサポートしていらっしゃいますが、そのなかで、核になるサービスはどのようなものですか。

▲クラウドエース(株)
  吉積 礼敏 代表取締役CEO

 吉積礼敏氏(以下、吉積) コンピューティングリソースを使うイアース(IaaS)のサービスが核になると思います。これは、情報システムの稼動に必要な仮想サーバを始めとした機材やネットワークなどのインフラをインターネット上のサービスとして提供する形態で、サーバを利用する際に必要なハードウェアのスペックやOSを、ユーザーが自分で自由に選定して、ネットワーク越しに利用することが可能です。

 ――どのような分野が関心をもたれているのでしょうか。

 吉積 AI系で、たとえば、音声をテキスト化できる「スピーチAPI」などです。API(Application Programming Interface)は、ソフトウェアを一部公開して、ほかのソフトウェアと機能を共有できるようにしたものですが、1年半ほど前からGoogleが提供する翻訳の品質が非常に上がったことで、多くの引き合いがきています。

 ――6月には、総合ソリューションプラットフォーム「GennAI(ゲンナイ)」のGCPでの提供も始められました。

 吉積 AIをシステムに組込業務の効率化や自動化を図る、さらにビッグデータ分析に機械学習を応用してビジネスに有効なデータを予測する試みが多くの企業で始まり、そのためのさまざまな製品がリリースされ実際に応用できる環境が整いつつあります。GCPでは、音声、画像、映像などを取り扱う各種AI・機械学習のAPIサービスが利用可能となっており、ビジネスシステムでの活用が期待されています。しかし、単体でのAPIやライブラリの提供は、企業のIT担当者にとってはハードルが高いという声に応え、これらGCPにおいて提供されるAI・機械学習の各種サービスをビジネスシステムから簡単に利用でき、より活用しやすい環境を提供しようというものです。

(つづく)
【文・構成:宇野 秀史】

<COMPANY INFORMATION>
代 表 : 吉積 礼敏
所在地 : 東京都千代田区大手町2-6-2 日本ビルヂング12F 1239
設 立 : 2016年11月
資本金 : 3億150万円
売上高 : (17/11)3億円

<プロフィール>
吉積 礼敏 (よしづみ・あやとし)

徳島市出身。愛光学園高校を経て1999年、東京大学工学部精密機械工学科卒業。アクセンチュアに新卒で入社し、主にインフラ領域を担当。大規模システム構築プロジェクトを歴任後、退職して吉積情報を創業。Googleのクラウド・エンタープライズ領域のコンサルタント。GoogleAppsのCertified Deployment Specialistの資格を日本人として初めて取得。2016年、クラウドエース(株)を設立。

(中)

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